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【ほぼ週刊 さえりのやわらかい言葉】「なんでもいいから生産しな。生産は心にいいぞ」


こんにちは! ライターのさえり @N908Saです。 第1回第2回第3回第4回とお悩みに回答してきました。引き続きお悩みは募集しておりますので、saeri.otegami@gmail.comもしくは、https://jn.kds.jp/with/5105/までお寄せくださいね!

じつは先日、こんなツイートをしたら多くの反響がありました。


学生時代、気が沈んでいると友人に話したら「最近生産してる?」と聞かれ「なんでもいいからいつものプラスαで生産しな。本を読んで感想を書く、料理を作る、外食したらレビューを書く。なんでもいいから生産しな。生産は心にいいぞ」としみじみ言われた。落ち込むとよく、何か生産を、と言い聞かせる。

「そうか、生産すればいいのか」、「たしかにわたしも辛いとよく料理するなぁ」と、かなりの反響があり「あの友人の言葉は、こんなに多くの人にも響く言葉だったのだなぁ」と、とても驚きました。


■とにかく何かを作り出すことの大切さ

今回はこのツイートの背景を少し。

とりたてて何が嫌というわけでもなかったものの、始めたばかりの一人暮らしでバランスが取れなくなってしまった大学1年生。床に寝そべって一点を見つめたまま1時間、2時間が経っていたということもたびたびありました。その「何という原因もない落ち込み」は人が思うそれよりも深刻で、一人になると急激に落ち込み、何をやっても楽しいと思えず、今思えば軽度のうつ状態だったように思います。

そんな時によく電話していたのが地元に残った男友達で(彼はとても辛辣なことをよく言う)、彼がわたしに言ったのがこの言葉でした。

彼は続けて、こうも言いました。
「あのな、消費ばっかりしていると人は病むんだよ」

時間の消費、お金の消費。さまざまな消費があり、人は皆消費しながら生きているわけですが、そこから何も生み出さずにいる時間が多くなると人は徐々にすり減る、と彼は言うのです。

「お前、その落ち込んだ時ってなにしてんの?」
「うーん。時間潰しに、映画借りたり小説読んだり」
「……別に難しいことをしなくてもいいから、何か生み出せ。何かを作る、料理をする、それすら難しいなら本や漫画や映画に触れたら感想文を書くとか、外食したらレビューを書くとか、日記に文句を書くとか……。なんでもいいから、消費じゃなくて何か生産したほうがいいぞ」

「生産」などというと難しいイメージがあるのですが、彼の意味するところは、他人にとって(または自分にとって)有意義なものを作れという意味ではなく、とにかく何かを出したり何かを作ったりすることが大切だ、ということでした。

彼とはすぐ喧嘩をする仲で、売り言葉に買い言葉というふうに何か言われたら瞬発力で反論、というのが常だったものの、彼があまりにしみじみというものだから、「やってみるか」と心を揺さぶられ、それからしばらく、日記に気持ちを綴ってみたり、映画の感想を書いてみたりと何かを生み出す作業を意識的に行っていました。そうしてしばらくして、「生産」などと意識しなくなったころには「何とも言えない落ち込み」もゆっくりと消え去っていったのでした。

■とっても大切な「消費」と「生産」のバランス

軽度の鬱状態の人や、精神的に参っている人たちにカウンセラーの方が紹介する方法のひとつに、自分の気持ちを文字にして記憶と感情を整理する「筆記療法」というものがあります。今思えば、彼が言っていた「生産」はこれに近しい効果があったのかもしれません。


それから7年近くたった今、床にねそべってほろりと涙を流しながら1時間過ごすことはなくなったものの、憂鬱の波は今も変わらずふいに訪れます。仕事中は元気でも、家に帰って唐突に理由のない虚しさが襲ってくるときもあれば、仕事さえ頑張れないような落ち込みに襲われる日も。原因があればまだいいものの、「なぜか」落ち込んでしまうことが多いのは性格上変わらないようです。
でもそういうとき、振り返ってみれば「仕事以外での生産」を全く行っていないことが多いのもまた事実。彼の言っていたことは7年経ったいまでも効果と信憑性をもってわたしに迫ってきます。そうしてわたしは慌てて言い聞かせるのです。「何か生産を」と。

どうも最近気持ちが晴れないという方、もしかしたら「生産」の時間が「消費」に追いついていないのかもしれません。時間を潰すための映画や漫画を漁ったそのあと、ほんの5分でもいいから時間を作ってみるなど簡単なことで構いません。彼の言葉があのときのわたしが浮上したきっかけになったように、みなさまのきっかけにもなれば幸いです。

それでは、また次回お会いしましょう! またね!

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プロフィール
さえり
ライター。出版社勤務の後、Web業界へ。人の心の動きを描きだすことと、何気ない日常にストーリーを生み出すことが得意。好きなものは、雨とやわらかい言葉とあたたかな紅茶。
メール:saeri.otegami@gmail.com
Twitter:@N908Sa


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