そんな自己肯定感が低めな女性に……いや、この現代を生きる全女性に読んでほしい一冊が『メンタル強め美女白川さん』(獅子/KADOKAWA)。Twitterで大反響を呼び書籍化された同書の主人公は、「あざとくても可愛くいたい!」がモットーのOL・白川さん。白川さんは、同性に嫌味を言われても、マウントを取られても、自己肯定感たっぷりの返しで華麗にかわしていく“メンタル強め美女”なのだ。
今年8月には待望の第2巻が発売した同書だが、はたしてどのようにして誕生したのか、込められた思いとは――。著者の獅子さんにインタビューを実施。全3回にわたりお届けする。インタビュー最終回は、マウンティングをしてしまう人の心理、そして“自己肯定感”を育むために本当に必要なことについて。
「マウンティング」は自分を認めてほしいから?
獅子さん(以下、獅子) マウンティングしてくる人って、自覚的な場合と無自覚の場合と2パターンあるんですよね。で、自覚的に仕掛けてくる人がなんでそんなことをするのかというと、とどのつまりは自分を認めてほしいからだと思うんですよ。相手に勝ちたい、というよりも「私だって頑張っている」ことを主張したい。本当は戦いたくなんてないんだけれど、マウントをとる以外に、自尊心の保ち方がわからなくなっているんじゃないだろうか、と。

獅子 そうなんです。だから、ただ「マウンティング=悪」としてとらえるのではなく、言う側にも言われる側にも背景があるんだってことを、忘れずに描いていきたいなと思っています。それに、場合によってはマウントでもなんでもなくて、ただ虫の居所が悪くて嫌な言い方になっちゃっただけ、ってことは、男女問わず誰にだってあると思うので。
――ありますね。あとから「あれっ、あの言い方ちょっとマウントっぽかった!?」って思ったりします。
獅子 梅本さんなんていっつも「ああ、言いすぎちゃった」ってあとから反省しているし、作中にチラッと登場する、白川さんの陰口を言っている周囲の女性たちだって、いつも嫌味なことを言っているわけじゃなくて、たまたまその瞬間だけ、ぽろっと口にしちゃっただけかもしれない。ということも、常に念頭に置いておきたいなと思います。悪意100%、闘争心100%の人がいないように、どんなときも清らかでポジティブな人もいないと思うので。