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31.Jan.2018

最近、なぜか妙に頭にくることばかり。そんな人に見てほしい、アカデミー賞大本命『スリービルボード』

年明けから2月にかけて映画業界がそわそわするのは、年に一度のハリウッドのお祭り、アカデミー賞が近づいてくるから。製作国の公開時期とは無関係に、ノミネートに絡んだ作品をこのタイミングで公開する日本では、2月からGWくらいまではすごく面白い作品が目白押し。その中で先頭を切って公開されるのが、アカデミー賞の大本命ともいえる『スリー・ビルボード』です。
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片田舎の薄暗いロードサイドに立つ「3つの巨大な赤い看板」というメインビジュアルがなんだか不穏なのですが、これは主人公である母親が出した広告。7か月前にレイプされ殺された娘の事件捜査が一向に進まず、業を煮やして巨大な看板に警察署長を非難するメッセージを掲げたのです。これをきっかけに、小さな田舎町がザワザワし始めます。
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映画を見て面白いなーと思ったのは、小さな田舎町のものすごくアナログな世界なのに、ネットの世界にすごく似ていること。母親のやったことは、ネットで言うところのいわゆる「晒し」みたいなもの。「あの店でこんなひどい対応にあった」とか「法律に抵触しないからって、こんな悪事を許していいのか」みたいな、「遭遇した出来事の理不尽を訴え、世に一石を投じたい」と「抑えられない怒りを晴らしたい」の中間ぐらいの感じでしょうか。でも、例えば車椅子での入店拒否を店名名指しで晒したあの有名人の騒動のように、「気持ちはわかるけど、警察署長を名指しで抗議ってどうなの?」みたいな反応は当然起こってくるわけで、反発した人間が看板の文字通り「炎上させる」という騒動も起こります。
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さてそうなった時に、事態はどう収集されるのか。そもそも収集できるのか。映画はそれを描いてゆくのですが――怒りって本当に難しい、困った感情だなあと思うことしきり。怒っていると心はどんどん頑なになってゆき、最後には自分自身も燃やし尽くされてしまうものなのかもしれません。ともあれ、なんだか最近、友達に、恋人に、妙に頭にきてばかり!という人だけでなく、怒りに翻弄されがちな現代を生きる、すべての人に必見の作品です。
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『スリー・ビルボード』
©2017 Twentieth Century Fox Film Corporation


文/渥美志保
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