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12.Jan.2018

キラキラした美しいものが溢れる仕事と生活に、ただただ「うっとり」。 『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』

百花繚乱に咲き乱れる花のように鮮やかな色あい、つややかな糸やキラキラしたスパングルで仕上げられた刺繍。でもクラシックでエレガントな印象なのは、服の形そのもので冒険はしていないからでしょうか。ベルギーのブランド(というよりアーティスト、アルチザン【職人】!)、ドリス・ヴァン・ノッテンに密着した『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』は、美しいものに「うっとり」できるドキュメンタリーです。

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巨大なファッショングループに属さない、独立系のブランドとして知られる「ドリス・ヴァン・ノッテン」。膨大な売り上げが絶対不可欠な大きなブランドと違うのは、流行にとらわれすぎないアーティストの視点と、職人の手仕事があることでしょうか。映画ではその年のコレクションの制作過程を見せてゆくのですが、何しろ「うっとり」なのは、タイトルにもなっている「ファブリック」。

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「僕はラッキーなデザイナー。こういう布が欲しいと言えば世界中の布地工場に“作りますよ”と言ってもらえる」とご本人も言っていますが、スタジオの床に所狭しと並べられた色とりどりの布、布、布。それをベースとなるジャケットなどの首元に入れたり、肩に掛けたりして、まったく異なる色、柄、素材、質感などから生まれる意外なケミストリーをひとつひとつ確認してゆきます。これがすごく面白いのですが、もしかしたら自分の日々のコーディネートにも取り入れられる方法かも、なんて思ったりもして。

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そしてもうひとつの「うっとり」は、彼が休日を過ごすベルギー、アントワープ郊外の豪邸での暮らし。19世紀に建てられた「ザ・リンゲンホフ」と呼ばれるその古いお屋敷には、庭師とともに作った美しく広大な庭があり、屋敷の中はそこで咲いた花々でいつも飾られています。

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同性愛者である彼は、20代の頃からの公私にわたるパートナーとともにここで暮らしているのですが、「ふたりともこだわりが強いから大変なこともあるけど」と言いながら支え寄り添う合う関係もすごく素敵。性別に限らず、「連れ添う」ってこういうことだなーと感じます。庭園内の菜園で収穫した野菜やフルーツとともに、ふたりでワインを楽しむテラス席の夕暮れ――なんて、もう憧れしかありません。そのすべてが「うっとり」な作品です。

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『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』
© 2016 Reiner Holzemer Film – RTBF – Aminata bvba – BR – ARTE

文/渥美志保
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