巷の猫ブームで、猫が多い島や猫が多い街に観光客がたくさん訪れるなんてこともあるようです。映画『猫が教えてくれたこと』を見て、そういう場所って日本だけでなく外国にもあるんだなーと知りました。それはトルコのイスタンブール。映画はイスタンブールの街を自由にふらふらするたくさんの野良猫たちと、彼らを「隣人」としてこよなく愛する町の人たちを追ったドキュメンタリーなのですが、もうモフモフだらけで可愛すぎ~。
ご存知の方も多いと思いますが、トルコはヨーロッパ大陸とアジア大陸の境目に位置する国で、イスタンブールはその国で古い時代から栄えた港町です。「陸的」にはふたつの大陸が互いに伸ばした指先のような岬が接した場所で、「海的」にはヨーロッパに面した地中海と、ロシアに面した黒海をつなぐ場所です。
そうした地理的な条件で、古い時代からこの街には世界各国の船がたくさんやってきて、人やモノや文化を運んできたわけですが、それと一緒に入ってきたのが猫。なぜ犬とか他の動物じゃないかと言えば、昔の木造船はネズミ捕りのために必ず猫を乗せていたから。船が停泊しているすきにふらふらと街に出て、置き去りにされ住み着いちゃったんですね。そんな歴史も、いかにも気まぐれな猫らしいかなーと思います。
そういうわけでイスタンブールの野良猫は世界各国から集まってきており、驚くほどバラエティ豊か。中には「え、この子ホントに野良猫?」と思うような、長毛種、ロシアンブルー、ゴールドやブルーの瞳……などなど美人猫、イケメン猫がざくざく。さらにその地域を仕切っている「番町猫」や、子猫たちに餌を運ぶ「お母さん猫」、カフェのテラス席で店員がチーズを持ってくるのを待つ「グルメ猫」など、可愛さや表情も満点です。
今年最後の猫映画で、ぜひ存分にモフモフをチャージしてくださいませ。
『猫が教えてくれたこと』
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