一生働かずに贅沢な暮らしが手に入るなら、身長13センチでも構わない？『ダウンサイズ』恋に効くエンタメニュース - with online - 講談社公式 -

一生働かずに贅沢な暮らしが手に入るなら、身長13センチでも構わない？『ダウンサイズ』

ある程度（そんなにたくさんは必要ありません）の貯金さえあれば、今後は一生働かずに贅沢な暮らしができる――そんな風に言われたら、それ詐欺かなんかじゃないの〜？と疑いつつも、ちょっと気になっちゃうのが人間というもの。でもこれにはある条件があります。身長13cmになること。『ダウンサイズ』は、科学技術が進歩したそんな近未来のお話です。

身体のサイズが10分の1以下になれば、食べるものも10分の1以下の量ですむし、ちょっと大きな水槽はプールに、クズダイヤはゴージャスなアクセサリーになり、6畳ワンルームくらいの面積さえあれば庭園付き大邸宅が立てられます。お金がかからないからあくせく働く必要もなし。ハーフボトルのシャンパンでしこたま飲めるパーティも開けちゃう。

主人公の平凡な男ポールは、そんな生活を夢見て不可逆な施術によりダウンサイズした男性です。普通の映画なら、現実は違ったけど、もう戻れない…となりそうですが、この映画の面白さは彼がほんとにそういう生活を手に入れること。にもかかわらず、ポールの生活は大きかった頃とさほど変わらない。不幸せとまでは言わないけれど、そこはかとなく「幸せでない」ことです。描かれているのは、誰もが持つ「ここではないどこか」への憧れですが、「“ここではないどこか”はきっとあるはず」と探しているうちは、幸せには気づけないものなのかもしれません。

結婚を意識するwith世代が気になるのは、このポールに妻がいることです。小さくなればすべてが解決する！と信じる夫に従い、夫婦はダウンサイズの決心をするのですが、そうなると当然ながら、両親や友人たちとこれまで通りの付き合いはできなくなります。一緒にゴルフに行っても芝生に埋もれちゃうし、ご飯を食べに行っても同じテーブルに着くのだって結構大変。映画を見に行くなんて絶対に無理、暗闇で踏みつぶされちゃいかねません。ちなみに一度13センチになったら、二度と普通サイズには戻れません。いくら愛する人と一緒とでも、こればっかりはどうかなあ。あなたならどうします？