ライフスタイル
ハナモリの「暮らしのセンスを磨くコツ」

SNSにはない世界がつまってる。手元にずっと置いておきたいお気に入りの一冊(前編)【ハナモリの「暮らしのセンスを磨くコツ」vol.11】

あたたかい気持ちに浸りたい時に

④「そしてバトンは渡された」瀬尾まいこ

pattern_1
主人公は、幼い頃に母親と父親が別れてしまい、継母に育てられた女の子。その後も血の繋がらない親の家を転々としながら、出会う家族に愛情をたっぷりと注がれて育っていくという物語です。

読みはじめた時は、たびたび変わる父親について主人公が戸惑ったり、不安な思いを綴った内容なのかな、と思いましたが、期待を大きく裏切られました。たくさんの父親たちが主人公に向ける愛にじーんときます。

「優子ちゃんと暮らし始めて、明日はちゃんとふたつになったよ。自分のと、自分のよりずっと大事な明日が、毎日やってくる。すごいよな」

これは3人目の父親が主人公に伝えた言葉です。家族を持つことを想像すると、将来について考えるのが楽しくなってきました。

血の繋がりなのか、それとも一緒にいた時間の長さなのか「家族とは」を考えさせてくれる一冊です。

⑤「博士の愛した数式」 小川 洋子

pattern_1
80分しか記憶が持たない博士、その博士の家にきた家政婦とその子供の物語。

家政婦は博士の家を訪ねるたび、初対面のように振る舞われ、その都度、博士は誕生日や靴のサイズなど、数字を家政婦に尋ねます。「なぜ?」と思うかもしれませんが、博士にとっては数字が言葉だから。そんな博士から、日々の暮らしの中に溢れている数字を通し、大事なことを教えてもらえます。

私は昔から数字が嫌いだったけれど、この本に出てくる数字や数式はとても理解しやすく、むしろ興味まで湧いてくるから不思議です。もし学生時代に戻れるなら、数字の楽しさをぜひ博士から教えて欲しいなと思うくらい!

毎日新しく生まれては消えていく、3人の数字のやり取りはとても美しく、読んでいるうちにあたたかい気持ちになります。数学好きだけでなく数学が嫌いな人でもきっと楽しめるお話です。

⑥「西の魔女が死んだ」梨木香歩

pattern_1
どうしても学校へ足が向かなくなった少女を、母親はひと月だけ“西の魔女”ことおばあちゃんのところで過ごさせることに。そこで少女は、おばあちゃんから暮らしの手ほどきを受けるのですが、おばあちゃんが口を酸っぱくして伝えたのは「なんでも自分で決める」ということ。

おばあちゃんの家はうんと森の中にあり、古びた一軒家に庭には植物がぎっしり。そんな緑に囲まれた場所で、果物を育て、家を大事に守るおばあちゃんの姿に胸がときめきます。庭でとれたイチゴでジャムをつくるシーンは、読んでいるだけでほっこり。私もかなりのおばあちゃん子だったので、毎週末訪れてはいろいろ教えてもらったことを思い出します。

そんな“西の魔女”ことおばあちゃんの暮らしは、まさに理想的で人生のお手本のよう。ラストがぐっときてしまう、おばあちゃんと孫の夏の物語です。
来週は、後編をご紹介したいと思います! 最近は電車の中をパッとみても携帯でSNSをチェックしている人が多く、それほど本を読んでいる人方はいないかと思います。どちらが良い悪いではなく、本にはSNSでは知ることのできなかった世界や驚きがつまっていると思うので、ぜひお家時間が長いこの時期に、本を読む時間を作ってみてはいかがでしょうか。

Hanamori
【ハナモリ】
動画クリエイター兼インテリアコーディネーター。大学時代に留学をしたフィンランドでの生活をきっかけに、インテリアや住宅に興味を持つ。卒業後は、不動産関連会社にて広報として勤務する傍ら、自身のSNSでひとり暮らしのアイデアやDIYにまつわる情報を発信。2019年に独立し、現在はフリーランスとして活躍中。YouTubeチャンネルの登録者数は15.4万人超え(2020年12月現在)。

★YouTube
https://www.youtube.com/channel/UC8-N_6GBPmT40pOpg5YOirA

★Instagram
https://www.instagram.com/hanamori_884/
36 件

キーワード

急上昇キーワード

新着記事

あなたへのおすすめ