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26.May.2018

【古市憲寿さんが回答】“働き方改革”って私には関係ない!?

歯に衣を着せぬ物言いで話題の古市さんは、社会学者&ニュース番組にも出演する気鋭の論客。大好評につき、今回も迷えるwith読者と直接、対面! ズバッとアドバイスしてもらいます!

“働き方改革”についてまったく実感なし。この感覚って私だけ!?

「働き方改革」って言葉がニュースで話題だけど、地方の小さな会社で働く私には関係ない気がしています。働き方改革って私にも関係あるの?
(メーカー事務・Gさん・28歳)

回答 ほとんどの人が実感してない

古市さん(以下・古) 正直、Gさんみたいな感覚の人がほとんどじゃない?マスコミのいう「働き方改革」って、大都市の大企業で働く、1日15時間とかの長時間労働をしているような人の話が中心。逆にいうと、そういう労働環境にない会社で働く人にとっては、あまり実感できないことも多いと思う。

Gさん(以下・G) やっぱり、私には関係ない話なんだ。バンザイ!

古 でも本当は働く人なら誰でも関係のある話だよ。たとえば、ちょっとくらいのサービス残業なんて当たり前と思っていない?もしくは、有給をちゃんと消化できないのも仕方ないと思っていない?これまでの日本は労働者の権利を守ろうっていう意識が希薄だったからね。その意味で「働き方改革」って言葉が広がったことに意味はあると思う。

G 私の会社は大丈夫です。9時5時でしっかり終わるので。

古 なら良かった。ちなみに「働き方改革」が進まないのは、労働者自身が長時間労働を望んできたという側面もある。たとえばおじさんの居場所問題。会社にしか居場所がないようなおじさんは、なかなか家に帰りたがらない。定年後に苦労するタイプだね。だから、「働き方改革」は、「会社を唯一の居場所にするのはやめにしませんか」っていうメッセージでもあると思う。

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G 自分の時間をもっと楽しもう!ってことですね。

古 そう。仕事と生活のバランスをとり、自分の時間も大切にしたほうがいいってこと。たとえばヨーロッパでは労働時間の上限に厳しい国が多い。フランスでは1週間休まなかったパン屋さんになんと罰金が科されたほど。でも、労働時間の短い国が経済的に貧しいかというと、そういうわけでもない。これまでの日本はコンビニが24時間あいていたりと、消費者の利便性ばかりを追求してきたけど、これからは労働者としても生きやすい国を作っていく段階になったんだと思う。
古市憲寿さん
’85年東京都生まれ。社会学者。若者の生態を的確に描出し、クールに擁護した著書『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社)などで注目される。近著の『保育園義務教育化』(小学館)では、女性が置かれた理不尽な状況を描き、その解決策を示す。
イラスト/死後くん 撮影/Maciej Kucia(AVGVST) 取材・文/紺谷宏之 
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