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「わがままを口に出す『訓練』とは?」社会学者富永京子さんに聞く【イマドキのやさしさ】

イマドキの「やさしさ」って何だろう?

\他人との関係から考える/

他者の価値観に振り回されることなく、自分を大切にすることが多様性時代の基本戦略。だけど、自分を過保護に甘やかすのも考えもの……。真のやさしさを知ると、より自分をレベルアップさせられるのかも。

今回は“イマドキのやさしさ”について、社会学者の富永京子さんにお話を伺いました。

社会学者 富永京子さん

立命館大学産業社会学部准教授、シノドス国際社会動向研究所理事。著書に『社会運動と若者』、『社会運動のサブカルチャー化』がある。
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不満はガマンしないで! 自分にやさしく“こっそりわがまま”しましょう

オフィス勤務が当たり前だった会社でリモートワークを導入して欲しいと思っても、自分の都合で社内制度の変更を訴えることにうしろめたい感情を抱く人が多いと思います。

でも、本当は同じ気持ちを抱えているのに我慢している同僚が近くにいるかもしれません。つまり、社内で意見を言うことは自己中心的な「わがまま」ではなくて、誰かの問題を解決することにつながる可能性を秘めているんです。

だから私たちは、もっと「わがまま」を口に出す訓練をしてもよいのではないかと。「あのセクハラ上司キモいよね」と、女子会で愚痴るだけでも問題解決に一歩近づけるはずです。

それは社会問題や政治も同じです。選択的夫婦別姓やアフターピルの薬局販売の議論が少しずつ進んでいるのは、弱い立場の女性たちが臆せずに自分の意見を言ってきたからだし、その「わがまま」によって、似たような問題で困っている人を助けることがあるのではないでしょうか。近年は日本でもこうした事例は増えています。

少数派が疎外感を覚えないようなやさしい社会を作るためには、誰もが「わがまま」を言いやすい空気を作っていかなければなりません。SNSで自分とは違う意見を叩く人もいますが、ブーメランのように自分の意見を言いにくい状況を作ってしまうので、自分にやさしい行為とは言えませんよね。

まずは他者の「わがまま」に対して寛容になることが、生きやすい社会を作るための一歩目かもしれません。
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『みんなの「わがまま」入門』(左右社・¥1925・税込)

with3月号では、様々な角度から「自分にやさしい」と「自分に甘い」の境界線について考えます。続きは本誌をご覧ください!

イラスト/Kanna Takeda 取材・文/浅原聡 ※再構成 with online編集部 
 
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