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「不倫相手のために5700万円のタワマンを購入」「スピリチュアルに1000万」――“沼に溺れた”女性たちに話を聞いてみて感じたこと【ひらりささんインタビューvol.1】

「推し」「沼」――。ここ最近、そんな言葉がよく聞かれるようになり、雑誌やテレビなどでも取り上げられるようになった。推しがいてくれることでしんどい仕事もがんばれる! 推しに救われている! という人もたくさんいるだろう。でも、ちょっとはずれてしまうと、普通に生きていたはずなのにいつのまにか沼に“溺れていた”なんてこともあるのだ。『沼で溺れてみたけれど』(講談社)は、そんな沼に溺れてしまった15人の女性に話を聞いたエッセイ集。文筆家で、女性4人によるユニット「劇団雌猫」メンバーでもあるひらりささんが、彼女たちの“お金”と“欲望”に迫っている。

本書に登場する女性の沼は人それぞれであり、かつどれもインパクトが大きい。不倫相手のために5700万円のタワマンを買った女性や、手取り180万円だけど推しに救われていた女性、スピリチュアルにハマって1000万円使った女性……。「自分はそんなことにならない」とどこか他人事のように思ってしまうかもしれないが、しかし登場する彼女たちも“普通に生きていた”のである。もしかしたら、自分だって“沼に溺れる”かもしれないのだ――。

今回、著者であるひらりささんにインタビューを実施。全3回にわたりお届けする。第1回目は、沼に溺れた人たちへのインタビューを通してひらりささんが感じたことについて。

みんな“気づいたら沼に落ちていた”。誰にだって溺れる危うさはある

――さまざまな女性のお金と欲望にまつわる話をインタビューしていく『沼で溺れてみたけれど』。ママ活、不倫、スピリチュアル、アイドル……ハマる“沼”はそれぞれ違いますが、普段はなかなか聞けないディープな話満載で、とっても読みごたえがありました。

ひらりささん(以下、ひらりさ) もともと私は「女×〇〇」という形で、さまざまな女性にインタビューする機会が多くて。劇団雌猫という友人との共同名義で出版した『浪費図鑑 ―悪友たちのないしょ話―』(小学館)はまさに、オタ活にいそしむ女性たちの懐事情を探った本なのですが、そのなかに書かれた〈誰かが何かを好きなことには理由があって、きっとその誰かにとっては無駄ではない、意味のあること〉という文章に胸を打たれたと、FRaU web の編集の方からメールが来たんです。そして、「昭和と違って、平成生まれの女性がお金を使うことについてのロールモデルが、今はあまりないように思います。『浪費図鑑』とはまた違う形で、女性とお金に関わる連載をしてもらえませんか」と依頼をいただきました。

――それが、WEB連載『平成女子の「お金の話」』の始まりだったんですね。

ひらりさ 最初は私がオタクなのもあって、私自身の興味や関心に近いテーマで書く機会が多かったんですよ。遠征先の仙台で無一文になったジャニオタの友人に3万円を貸した話とか、私もハマったことのあるスピリチュアルに1000万注ぎ込んだ女性の話とか。でも連載を重ねていくうちに、お金だけでなく、その人が抱えている欲望や生き方そのものがテーマになることも増えてきたので、書籍化にあたってタイトルは変更しました。DMなどで、「誰かに話したかったけど、誰にも言えなかった」という話が持ち込まれるようになってきたのも大きいです。聞いてみると、意外とみなさん破天荒な体験をされているんですよね。
――とくに第1章は〈不倫相手と暮らすため、5700万円のタワマンを買った35歳女性〉とか〈キスをするのに4000円、ママ活料金表を送ってきた男性とデートする28歳女性〉とか、驚くような事例が多かったですね。

ひらりさ まさに沼に溺れかけた女性たちですが、共通しているのはみなさん、“気づいたら沼に落ちていた”ということ。ママ活をしていたスズカさんなんて、マッチングアプリで出会った男性がたまたまママ活をしていたというだけで、もともとそんなところに足を踏み入れるつもりはなかったわけですからね。ただ、アイドルにせよ、スピリチュアルにせよ、何かにお金を注ぎ込むということは、それを強く欲しているということ。それを得ることで埋まる穴が、心のなかにあるということなんだと思うんです。そしてその心の穴は、特別な誰かだけが持っているわけじゃない……。どんなに満たされたように見える人でも、沼に落ちてしまうような危うさと、安定した自分との間を、いったりきたりしながら生きているんだろうなと、お話を聞きながら思うようになりました。
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