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17.Jan.2021

出口治明×弘中綾香「『おっさん的価値観』に、馴れ合ってはいけません」

出口治明さん×弘中綾香さん【「おいしく」生きるヒント】

これから先、どんな人生を送りたいか。どんな人と出会いたいか。どんな自分でありたいか― ― 。新型コロナウイルス感染症の出現で、誰もが自分自身の今いる場所を見つめ直した2020年。これからの私たちの〝生き方〞について、明るく力強い提言をくれる本がベストセラーになった。

『還暦からの底力 歴史 ・ 人 ・ 旅に学ぶ生き方』―― 。with世代にとって、〝還暦〞なんてまだまだずっと先の話だけれど、本に書かれているのは、年齢の話じゃない。そこにあるのは、好きなことをして、楽しく、心豊かな人生を送るためのヒントの数々。

本を読んで感銘を受けた弘中さんと出口先生の「おいしい人生」を送るための冬期集中講座、ここに開講!

世界の全体像をより正確に認識するためには、「数字」と「ファクト(事実)」「ロジック(論理)」を積み上げていくこと。

弘中:インターネットの発達で、情報や知識を獲得することが容易になりました。ただ、ネットには情報が溢れすぎています。その素材が本物かどうかを見極めるにはどうしたらいいですか?

出口:学習するときは、物事の見方を磨くことが大切です。僕は、世界の全体像をより正確に認識するためには、エビデンスたり得る「数字」と「ファクト(事実)」を拠り所として「ロジック(論理)」を積み上げていくこと、つまり「リアリズムが何よりも重要である」と常々考えています。

Googleで検索するべきは、エピソードではなく、エビデンスでなければいけません。物事をしっかり議論するためには、出所が明らかで、相互に検証可能なデータを使って、ロジックを積んでいくことが究極的な議論の方法です。

一日2冊本を読むことを習慣にされている一橋大学の楠木建先生は、講演で「某巨大通販サイトの書評を参考にしますか?」と聞かれ、「匿名の人間が書いた感想など、そもそも参考に値しません」と答えられていました。

僕も、書評を読むなら新聞に限ると思います。大新聞は見栄っ張りなので、権威ある人を引っ張ってきて、実名で書いてもらっている。書き手も、自分の評判に関わるので一所懸命読んで、書くわけです。だから新聞の書評は読む価値があります。
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ブラウス¥19000、スカート¥24000/JILLSTUART(ジルスチュアート ルミネ新宿店)

「おっさん的価値観」からの脱却について、首をぶんぶん振って共感してしまいました。古い価値観と、どうやって折り合いをつけたらいいですか?

弘中:「性別フリーで女性の地位を引き上げよ」という章にあった、「おっさん的価値観」(古い価値観やシステムに拘泥し、新しい変化を受け入れない。自分の利害のことばかり考え、未来のことを真剣に考えない。フェアネスへの意識が弱く、弱い立場にある人に対し威張る)からの脱却について、首をぶんぶん振って共感してしまいました。

まだまだそういう価値観に縛られた人は私の周りにもいます。どうやって折り合いをつけたらいいか、アドバイスをいただけたら。

出口:折り合いをつける必要はありません。断固捨てるべきです。テレワークをしているカップルがいて、女性から次のような相談を受けたことがあります。

「彼も私もテレワークなのに、お昼になると〝ご飯まだ?〞と言われてムカつく」と。そういうときは、「ランチ代1000円払いなさい。払わないなら、勝手に食べなさい。私は私で好きなもの作るから」と言えばいいのです。そこで黙って作るからムカつくのです。

また、ある男性は、「テレワークになって、飲みニケーションよりも、子供と話す方が楽しいことに気づいた。でも、家には僕の居場所はない。どうすればいいんですか?」と聞くので、「あなたが職場で仕事をしなければ、職場に居場所がないように、家庭は、家事、育児、介護の場所です。それをしないで家庭に居場所があるなんて思う方がおかしい。パートナーの奥様に手をついて、『私は新入社員です。家事、育児、介護を教えてください』と頭を下げる。そこで初めて居場所ができるのです」とアドバイスしました。

「おっさん的価値観」は、日本社会に根深く巣くっているので、馴れ合ってはいけません。
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【PROFILE】

でぐち・はるあき
1948年生まれ。三重県出身。立命館アジア太平洋大学(APU)学長。京都大学法学部卒業後、日本生命に入社、ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退職。’08年、ライフネット生命を開業。’12年、上場。ライフネット生命の社長・会長を10年務める。’18年より現職。訪れた世界の都市は1200以上、読んだ本は1万冊超。『哲学と宗教全史』がビジネス書大賞2020特別賞を受賞。
ひろなか・あやか
2013年テレビ朝日入社。神奈川県出身。慶應義塾大学法学部卒。現在「激レアさんを連れてきた。」「あざとくて何が悪いの?」「ノブナカなんなん?」などのレギュラーを持つ。Hanako.tokyoにコラムを寄稿、「ダ・ヴィンチ」で連載も。
弘中綾香さんに関する記事一覧はこちらから!

↓お二人の往復書簡も!

「おいしい人生」を送るための冬期集中講座、続きはwith2月号をご覧ください!

撮影/大橋友樹 スタイリスト/村田ゆみ子 取材・文/菊地陽子 ※再構成 with online編集部 ※商品情報はwith2021年2月号発売時点のものです。
 
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