
「ちゃんとできる人」を尊敬しています
ありがとうございます! 嬉しいです。
――それらの行動がすべて、陽菜子が会社員として会社や仕事や同僚を愛し、真剣に仕事に取り組んでいるからこそ、というところも働く人にとってぐっとくる部分ではないでしょうか。「跡継ぎ問題」や「合併」などビジネス面に関してもリアルに書かれていて、ビジネス小説的なおもしろさもありますね。
私が「ちゃんとできない」人間なので、ちゃんとできる人をめちゃくちゃ尊敬していて。そういう友人がたくさんいるので、彼女たちにおもしろいと言ってもらえるものを書きたいという気持ちがずっとあります。
私も会社に勤めていたことはあるのですが、正社員ではなかったし、編集者だったので陽菜子たちのような働き方とは違うし、エネルギー業界のことにも全く詳しくなくて……なのでビジネス面に関しては本当に書くのがつらかった(笑)。ただ読んでいる人に「わかっていないな」と思われないように、業界分析の本を読んだり、友人や家族に相談したりしました。商社に勤める友人にはオフィスの様子を聞いて、父親には株式をどう配分すればいいかを実際に計算してもらって……その甲斐あってか、1巻の頃から「ビジネスのことがちゃんと書かれていておもしろい」と言ってもらえると嬉しくなりますね。
――なるほど、そういった下調べをされているから、お話に説得力があるのですね。