「こんなに物多かったっけ……」――いざ片づけを始めると、途方に暮れてしまうこともある。普段から“溜めない”ようにすればいいのだけれども、全員が全員片づけが得意なわけではない。だけど、すっきりと整頓された部屋への憧れはある。じゃあ一体「何をどう捨てれれば」いいのか……。
『モノ・人・心の悩みが消えていく 断捨離道場』は、片づけに関するさまざまなお悩みに対して、“断捨離の第一人者”やましたひでこさんがズバッと答えてくれる一冊。今回は本書から、「断捨離がきっかけで夫と対立している」と悩んでいる人へのアドバイスをご紹介。
断捨離がきっかけで夫と対立しています
今までの夫婦関係で積もり積もったものが爆発したのかも
住空間をクリアにしていくこと、そしてその空間をともにする家族との関係をクリアにしていくこと。このふたつが同時進行していく断捨離では、人それぞれのモノへの所有意識や価値観などの違いを突きつけられます。そのため、家族に理解されずに孤独感にさいなまれることもあります。
あなたは、捨てることを強要したつもりはまったくなかったから、ご主人の思わぬ抵抗に驚いています。「何もそこまで気分を害することでもないだろうに、住まいをキレイにしようとしている私の、一体どこがいけなかったの?」と。
ここで私はこう感じました。ご主人の強い抵抗姿勢は、今までの夫婦関係で積もり積もったものが、噴き出した結果なのではないか? と。そうでなければ位置を少し移動させただけで、これほどの抵抗を示す理由は見つかりません。
断捨離は、今まで見て見ないふりをしていた住まいの有り様を、きっちりと見つめていくことから始まります。それからおざなりにしていたモノ、放置していたモノに始末をつけていきます。そうやってモノとの関係を問い直し、住空間からよどみを追い出していく。それと同時に、その住空間に横たわっていた家族との関係を見据え直していくのです。それはとてもきついことでもありますね。
どうかご主人の思わぬ抵抗をしっかりと受け止めて、これを機会にご夫婦の関係の「今」を見つめていただければと思います。