インタビュー2回目では、痩せすぎが及ぼす悪影響についてより詳しくお話ししていただきました。痩せるために“抜きがち”な日本人女性への警鐘とは――。
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日本人は学力が高いわりにヘルスリテラシーが低い?
細川モモさん(以下、細川) 「自分の身体や健康についての知識を持っていて、知識を基に判断したり、役立てたりする力」のことです。今は、ネットで検索すれば有象無象の情報が出てきますよね。その膨大な情報の中からエビデンスのある情報をキャッチアップし、実践する力。お医者さんに症状を説明されたときに正しく理解する力。これが、日本人は実はアジアで一番低いという結果が出ています(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0917504016300776)。
――アジアで一番低い!?
細川 国民全員が一律の教育を受けていて、高学歴人口も多いのにかかわらずそれが現状なのです。なぜかといえば、とくに生理などの婦人系の知識を学ぶ機会が教育のなかにほとんど組み込まれていないから。たとえば日本の性教育って、望まない性教育を防ぐため、徹底的に避妊について説きますよね。そのこと自体は悪いことではありませんが、排卵やPMSについての知識を得るまえに避妊について学ぶから、「健康な男女がセックスしたら“簡単に”子供ができてしまう」と思い込んでしまう人が多いんですよ。
細川 たしかに若いときは健康状態もいいから妊娠しやすいかもしれない。でもその認識のまま20~30代になり、そう簡単に妊娠できるわけじゃないと気づいて苦しむ方もたくさんいるでしょう。無理なダイエットや間違った美容法を実践した結果、身体を損ねていらっしゃる方が本当に多いんです。
――加齢だけが原因ではないんですね。
細川 前回もお伝えしたように、日本女性の痩せ率はアフリカ諸国と同じくらい。食糧難にあえぐ女性たちがジュースクレンズや断食をしていたらおかしいでしょう? 「いやいや、まず食べなよ! 多少太るくらいがちょうどいいよ!」って思いません?
――思います。
細川 日本人の美容意識は、客観的なデータを見ればそれと同じ。美容体型が生理や排卵が止まるような体型であることを知りません。それがつまり、ヘルスリテラシーが低いということなんです。