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大久保嘉人『俺は主夫。職業、現役Jリーガー』

中村憲剛氏インタビュー後編「妻の命が危険?最愛の妻の闘病が変えた、僕の家事・育児観」

『俺は主夫。職業、現役Jリーガー』発売記念オンライントークショー開催決定!

締め切り迫る!!対象商品のご予約は2022年1月10日(月・祝) 22:00まで!この貴重な機会をお見逃しなく!

『俺は主夫。職業、現役Jリーガー』発売を記念して、オンライントークショーの開催が決定! 大久保嘉人さんによる執筆時のエピソードトークやお客様からの質問などにお答えいたします。
対象商品ご購入者にはオンライントークショー視聴シリアルコードのご案内に加え、限定特典としてポストカード、さらに抽選で当選された100名様には直筆サイン本が届きます!

【イベント開催日時】
2022年1月22日(土) 13:00 開始予定
配信時間は50分程を予定しております。

*アーカイブ配信期間:1月22日(土) 18:00 ~ 1月31日(月) 23:59 まで
(アーカイブ配信開始時刻は予告なく変更となる場合がございます)

サッカー指導者や解説者としてマルチに活躍する元サッカー日本代表の中村憲剛氏が登場

昨シーズンの現役引退後は、サッカー指導者や解説者としてマルチに活躍する元サッカー日本代表の中村憲剛氏。インタビューの前編では、川崎フロンターレ時代の盟友であり、先日、今シーズン限りでの引退を表明した大久保嘉人選手の「子連れ単身赴任」についての感想を語ってもらいました。後編では、憲剛さん自身の子育てについて、またコーチとして子どもたちと接する際に気をつけていることなどを伺いました。

最愛の妻の緊急入院。妻の命とお腹の中の子どもの命、どちらを取るか迫られた

僕には中1の長男、小5の長女、5歳の次女と3人の子どもがいるんですが、2015年、妻が3人目を妊娠中に緊急入院したんですね。そのときは「すごく大変」なんて思う余裕すらないくらいの状況に陥りました。妻に支えられていた生活が文字通り一変して、こんなことを言ってはいけないんでしょうけど、正直なところ、サッカーどころではなかったです。

僕の著書(注:『ラストパス 引退を決断してからの5年間の記録』KADOKAWA刊)にも書きましたが、前置胎盤と診断されて、妻の命が危険な可能性もあると告げられたんです。妻の命を考えて子どもを諦めるか、どちらかを選ばなければともに失う可能性もある、と。何度も寝ずにひとりで考え、答えを出せずに涙し、妻にどう打ち明けていいのかも本当に悩みました。打ち明けてからも妻と話し合いましたが、僕たち夫婦にはお腹の子を諦めるという選択肢を選ぶことはできませんでした。

結局、セカンドオピニオンを取り、絶対安静の妊娠期間を経てなんとか無事に産まれてきてくれたわけですが、自分の決断ひとつで、末娘が今この世にいないかもしれなかったと思うと、今でも、いろいろと考えることというか、思うことが出てくるんですよね。
人の生き死にに関わること。人が生きていく中で、そういう選択をする場面や岐路にはあまり出くわさないじゃないですか。とくに僕たちみたいな年代で(注:憲剛さんは41歳)、死生観みたいなものを突きつけられる機会というのは多くないと思うんです。「奥さんもお子さんもどちらも危険です」と言われたときは、外の天気は晴れてるけど自分の世界は色褪せていました。でも妻に「どちらもあきらめる必要はない」と伝えられた瞬間、文字通り景色がまったく違って見えたんです。本当に。あの経験は「成長」とか「幅が広がる」という言葉では表現できないほどの、人生におけるターニングポイントになりました。
 

妻がいないと日々のタスクは膨大。妻のありがたさが身に染みた

妻の入院中はそのことしか考えられないような心境だったんですが、上の子2人も同時に見なくてはならず、生活自体もすごく忙しくて大変でした。
そのとき長男が小1、長女が年中で、妻がいないので、やることが次々に出てくるわけです。妻の母や僕の姉にも手伝いに来てもらってはいたんですが、僕も朝はそれまでよりも1時間早く起きるようになりました。朝起きたらまずは子どもたちを起こしてから、それぞれの支度に取り掛かります。ご飯も食べさせて送り出して、そこからやっと自分の準備。入院中だけではなく、妻が自宅に戻ってからも絶対安静の状態が続いていたので、これは自分のタスクになりました。
末娘が産まれたあとは、妻も徐々に体調がよくなってきて、家事を手伝ってくれるようになりました。最初はほとんど僕がやっていたんですが、だんだんとウエイトが妻の方に傾いていきましたね。けど僕も、それまでやってきた中で、自分のスタイルみたいなのが確立されつつあったので、そこのせめぎ合いというか、自分の中で葛藤が結構あって(笑)。「これは今、こうしたいんだけどな」みたいなのが当時はありました(苦笑)。今はもう基本的には妻に全部任せちゃっていますけど。よくよく考えると、当時本当に得がたい経験をしたなと。
それまでは自分のことしか考えていなかったし、自分のことだけを考えていればいいように、周りが、とくに妻がしてくれていたんだなというのは、あのとき、本当に身に染みましたね。身に染みるどころじゃないな。妻には感謝しています。
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大久保嘉人

「俺は主夫。職業、現役Jリーガー」を連載中。サッカー選手と9歳息子の二人暮らし奮闘記を発信。

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