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大久保嘉人『俺は主夫。職業、現役Jリーガー』

大久保嘉人「子どもにかっこいい姿を見せたい」が 39歳、今の俺の原動力だった

39歳のレジェンドが、息子を連れた単身赴任で“サッカーと家事育児の両立”に挑んだその原動力とは

涙の電撃引退発表が記憶に新しい、大久保嘉人選手。39歳になってもなおJ1リーグで活躍を続けたサッカー界のレジェンドが実生活で挑んでいたのは、三男橙利君との父子二人の単身赴任生活。初めての家事・育児に奔走する様子を描いた書籍『俺は主夫。職業現役Jリーガー」では、サッカーとの両立、家族への思い、そしてこの決断の原動力となったものについて語っている。

サッカーに家庭は持ち込まない。でも、子供の存在がプレーに影響しているということはある。

サッカーをプレーしてる瞬間は、家族のことは考えない。 でも、碧人が小学生になったくらいから、「俺がイエローカードとかレッドカードをもらって、碧人が学校でそのことを言われたらかわいそうだな」って思うようにはなった。実際に言われたことはないみたいやけどね。もちろん今でもカッとはするよ。でもそこまでキレない。1回スイッチ入ると行きすぎちゃうから、その前で止められるようになったっていうか。
そういう感じで、子どもの存在がプレーに影響してるっていうのはある。点を取ったらすげー喜んでくれるしね。点を取るところがやっぱり一番かっこよく見えるみたい。ゴールすると、碧人は必ず電話してくる。 紫由はわかってないと思うけど、点取ったときのガッツポーズのマネとかしてるね。あ、兄ちゃんたちにやらされてるのかな。紫由は何歳くらいになったら、俺のプレーを覚えていられるかなー。 上三人の記憶にはもう確実に残ってるよね。それがすげーうれしい。そうやって、子どもたちが覚えていてくれるぐらいまで、サッカーやれたらいいなって思ってたから。
碧人が生まれたときに、エスコートキッズって言って、試合前に子どもと手をつないで入場するやつを自分の子どもとやりたいなーと思ってて、その夢も叶った。「J1リーグ何百試合出場」みたいな節目節目のセレモニーで、子どもたちが花束持って祝いに来てくれたり。その辺のやりたかったことは全部できたかな。
 

自分のサッカー寿命は長くないと思っていた。

若い頃は、まさかこの歳までやるとは思ってなかった。30歳でやめると決めてたから。30歳って区切ってたのは、そこまで俺のサッカー寿命は長くないって思ってたから。こんな性格だし、サッカーのスタイル的にも、FWって次々と若い選手が出てくるし。碧人が生まれた頃だって、代の選手はすげえおっさんと思ってた。そういう大ベテランの選手ってやっぱり年齢を感じさせないくらいうまいし、体調管理とかもしっかりしてるからずっと選手でいられるんだろうなって。俺はそういうタイプじゃないから、できないやろなと思ってた。
けど結果的に、好きなもん食べて、大したケアもせずにきたのに、この歳までやってこれた。大ケガしなかったからよかったのかな。やっぱり1回大きなケガをすると神経質になるだろうから。歳をとってくると常にどこかしら痛みを抱えてる選手も多いと思うんやけど、俺は痛みすらもない。膝とか、みんなやるやろ。年齢重ねていくと、こすれて軟骨がすり減ったりとか、そういうのでみんな引退していく。でも俺は痛いところがないんよ。むしろそういう痛みがあればスパッとやめられるのに、と思ったりもする。本当にアスリートっぽくない、普通の人と同じような生活してるからな、俺。めんどくさがり屋だから、練習が終わったら体のケアもしないで早く帰りたいし。あ、試合の前はするよ。アウェイで試合前日ホテルに泊まるときとか暇やし、そのときはやろうってなる。でもそれ以外はやろうとしても続かない。無理してがんばってないから、イヤにならんのかも。意識高くいろいろやってると、これもやらなきゃ、あれもやらなきゃってなるけど、俺そういうのがイヤで。普通でいたい。

子どもたちには幸せな生き方をして欲しい。そのために俺がかっこいい姿を見せなければならない。

プロ生活20年になるけど、じつは今まで1回も、シーズン前の自主トレをちゃんとしたことがなかった。サウナスーツ着て、自宅の周りを何周か走るくらいはしたことあるけど(笑)。けど昨シーズン、引退まで考えた身やから。今年は「やれることはやってみよう」って思って、初めて自主トレをやった。「またJ1に戻ってきたし、点を取って、J1の得点記録を大台の200に近づけたい」そう思って大阪入りする前の2週間、元競輪選手のトレーナーさんについてもらってみっちりとやり切った。「酒を飲みたい」と思わなくなるくらい、めちゃくちゃキツかったけど、おかげでキャンプからすんなり入れたし、開幕戦から点も取れて、家族はみんな喜んでたね。莉瑛には「初めてちゃんとしたアスリートらしいオフの過ごし方したね。そんなところにも伸びしろを残してたんだね」とか言われたけど(笑)。
子どもたちには将来、自分みたいになってほしいと思ってる。プロアスリートになれとかそういう意味じゃないよ。いや、なれるならなってほしいけど、それはどうなるかわからんし。
なんていうか、結婚しても、こういう友達みたいな関係の楽しい家庭を築いてほしい。
あと俺は、今が幸せだから。家族に恵まれて、好きなことをやって、人生楽しい。子どもたちにもそういう生き方をしてほしい。
そのためには、俺がかっこいい姿を見せなきゃなと思うし、それが俺の一番の原動力やな。

大久保の最後のチャレンジ、サッカーと家事子育ての両立に奮闘する姿を描く書籍『俺は主夫。職業、現役Jリーガー』大好評発売中!

子育て世帯、必読! 男性の家事育児参加への、一つの解がここにあります!

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大久保嘉人39歳。サッカー界のレジェンドが、大阪で突然息子と二人暮らしをスタート?「家事力0」の現役Jリーガー主夫、爆誕!

内容の一部をご紹介!

第1章    暴れん坊ストライカー、キッチンに降り立つ
・大阪移籍で単身赴任。そこにまさかの三男の「ついていく宣言」。
・家族会議で俺は確信。「この経験は必ず橙利の力になる」

第2章    トリッキーなプレー続出!? 父と子の二人暮らしキックオフ!
・鍋の蓋が無ければハンドも覚悟。男の家事は失敗の連続。毎日がチャレンジ!
・大久保流のワンオペ育児、家事と子育てルーティン

第3章    守りは嫁任せ! 攻めに専念してた16年の亭主関白生活
・4児のパパのこれまでの暮らしぶり。正直、家事には無関心。
・九州男児で家事力ゼロ。リモコン一つ動かさなかったこれまでの俺。

第4章 理想の父親像は「なんでも話せるチームメイト」
・おとんのおかげで今の俺がある。
・三男に自分との生活で学び取ってほしいもの

第5章 家族はチームだ! 攻めも守りも全員で!
・オフでも全然休めない…世のお母さんたちに拍手
・俺、完全アウェイ!? まさかの父親Jリーガーたちからの大ブーイング!!

第6章 仕事・家事・育児のハットトリック決めようぜ!
・とりあえず宣言!とりあえずやる!そこから見える世界がある
・どうしたら世の中のパパたちが家事育児に参加できるか、大久保流の答え

大久保嘉人(おおくぼよしと)

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1982年6月、福岡県生まれ。国見高校3年時に高校3冠を達成。自身もインターハイ、選手権で得点王に輝き、セレッソ大阪でプロキャリアをスタート。スペイン、ドイツなど海外リーグ、国内の数クラブを経て、2021年古巣のセレッソ大阪に復帰。史上初、3年連続Jリーグ得点王。J1通算最多得点記録保持者であり、現在も記録を更新中。日本代表としてアテネオリンピック、FIFAワールドカップ南アフリカ大会、同ブラジル大会などに出場。国際Aマッチ60試合出場、6得点。莉瑛夫人との間に4男。セレッソ移籍を機に大阪にて、三男と父子ふたり生活を送る。
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大久保嘉人

「俺は主夫。職業、現役Jリーガー」を連載中。サッカー選手と9歳息子の二人暮らし奮闘記を発信。

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