編集部|ライフスタイル
19.Jan.2018

【短期連載・小島慶子の「絶対☆女子」vol.12】振り向けばタラレバ娘

講談社コミック『Kiss』で圧倒的共感を得た小島慶子さんの等身大エッセイがついに書籍化しました!!

私たちはもっと気楽に生きられる――。比べなければ、ほら、堂々と私の顔で立っている。みんな、「絶対値」で生きよう、一緒にさ。仕事人・母・妻として小島慶子さんが感じたココロ60選が収録されています。

with onlineではその中から、with読者向けに抜粋したコラムを、水・金の週2回配信! 今回は「振り向けばタラレバ娘」がテーマのコラムをお届けします。

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『絶対☆女子』著:小島慶子 発売日:2017年12月13日 定価 :本体920円(税別)

振り向けばタラレバ娘

「自分も〝タラレバ娘〟のつもりで(『東京タラレバ娘』を)読んでいたのに、気づけば年上になってました!」

よく行くクリニックの先生が、私の顔にレーザーを当てながら言いました。先生とは、数年前に大きなシミをとってもらって以来のお付き合い。こうして月に一度、私の顔の野焼き(フォトフェイシャル)をしてくれているのです。いつもお肌がつるつるで、とても可愛い先生。私にとっては出会った当初から「若くて可愛い先生」なので、年齢については漠然と「かなり年下」としか認識していませんでした。しかしそんな彼女が今30代半ばと聞いて、その見た目のフレッシュさに驚いたのと同時に、自分が35歳と9歳も違うことにも驚いてしまいました。いま、44−35ってもう一回、頭の中で検算しましたもん。

桃井かおりさんの素敵な名言に「女は30過ぎたら同い年」というのがあります。確かにそんな感覚が私にもあるようです。今はみんな元気なので、実際のところ35歳から65歳くらいまで、人生の大半が中年期みたいなもの。中年同士で話も弾みます。でも30代から見た40代と、40代から見た30代の見え方は、明らかに違う気がするのです。行きは遠いのに、帰りは近く感じるみたいなものですね。

というわけで私は、「振り向けばタラレバ娘」と嘆く先生の話を「振り向けば35歳」という新鮮な心境で聞いています。50代になったら、40代なんてつい昨日のよう、ってやっぱり思うのかな。

なんてことを考えながら髪を切りにいったら、50代のスタイリストさんは、
「44歳って、苦しいでしょ」
 と言います。
「うん! そうなの、なんか、30代より自由なんだけど、自由な分だけ苦しい時もあるの」
 と思わず弱音を吐くと、
「そうよねえ。仕事が乗ってきて、体力も実績もあるし、新しいことにも挑戦したくなったりして、どんどん責任やプレッシャーが大きくなるでしょ?」
「そうっ、そうなんです」
「それで、やればできちゃうからますます荷が重くなる。私もそうだったわ。40代は、すっごくがんばった」
 遠い目になる彼女。頷きっぱなしで赤べこ状態の私。
「だけどね、それ、ぜーんぶ力になるわよ。50代になったら、うんと楽になるし」
「ええっ、ほんとですか。それめちゃ希望が持てますっ」
「ほんとほんと。楽しいよ、50代」
と、彼女はそれは素敵な笑顔で言ってくれました。当代きってのヘアスタイリストで大きなビジネスも手がける彼女ですら、40代はそんな気持ちだったのか。なんだかホッとしたなあ。

そういや4年前、40歳の誕生日の目前に行った青山のランジェリー屋さんでも、お店にいた40代の女性が全員で、
「ようこそ。40代は楽しいよ」
と言ってくれたっけ。もしかしたら、もう20代ではない、っていう見られ方をする30代半ばぐらいまでが一番面倒くさいのかもしれませんね。35歳からは中年の黄金期だよ、って次回の野焼きで先生に言ってみようかな。

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<B>小島慶子さん</b><br> タレント、エッセイスト。<br> 仕事のある日本と、家族と暮らすオーストラリアのパースを3週間ずつ往復する出稼ぎ生活。『るるらいらい』(講談社)、『解縛』(新潮社)、小説『わたしの神様』(幻冬舎)、小説『ホライズン』(文藝春秋)など著書多数。
with onlineでは引き続き、with読者向けに抜粋した『絶対☆女子』のコラムを、水・金の週2回お届けします。チェックしてね!
はじめに
女の視野はウマより広い
ダメ出し女子
憧れと嫉妬
女の見た目
クラウドで安心?
心の男子
自意識にサヨナラ
変化なし…?
女を謳歌しよう
埋蔵セクシー
振り向けばタラレバ娘
・From圏外with Love(1/24UP)

12月13日より好評発売中!

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