編集部|恋愛・人間関係

整形は人生のゴールじゃなかった――。整形後、“結婚したいモンスター”に陥った漫画家の話

整形しても自分は空っぽのままだった

しかし、それだけ世界が変わった彼女は、いい出会いに恵まれたかというとそうでもない。

「結局、根本的な部分が変わっていなかったんですよね。自分の容姿への絶望感はなくなっても、心の底では自分が嫌いで、自信がない。自分の中が空っぽだから、他者で埋めようとする。結局私は恋愛に依存しようとしていただけなんです。

よく、整形を一度したあとに、満足がいかなくてどんどん整形を重ねる方がいますよね。私も、向いている方向が違うだけで、同じことをしていたのだと思います。自分の救いになるものを外に求め続けていた。
誤解して欲しくないのは、重ねることがいけないわけではないです。私は本来、整形はコンプレックスをクリアにして心を楽にしたり、自分の可愛いをアップデートしたいという思いに応える選択肢のひとつであって(もちろんリスクはあります)、「~しなければならない」と思い詰めるようになさらなければ全然大賛成な人です。

よく、前作を読んだ読者の方から『整形したらもう人生幸せですね』といった声が届いていたのですが、全くそんなことはなくて、整形ってゴールではないんです。整形をしたあとも、人生は続く。そして、私はそのあとの人生で大きくつまずいてしまって……」

その後、大好きな恋人・秋ちゃんと出会い、無事付き合うことに。しかし彼に結婚願望がないことを知り、急に焦りと不安に襲われるようになってしまう。
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「当時、どうしてあれほど焦っていたのか、自分でもよくわからないんです。ただ、やっぱり秋ちゃんに対して依存をしていたんでしょうね。無意識のうちに、いい歳なんだから早く結婚しないと、みたいなプレッシャーも抱えていたと思う。あのときの私は、ただただ秋ちゃんに対して『私を幸せにしてほしい』って思っていた」

彼女のこの自己肯定感の低さは、容姿のコンプレックスだけではなく、幼少期の家庭環境も影響しているだろう、と自身で振り返る。

「愛されて育った、という実感がないまま大人になってしまったんですよね。だからそれを、いい歳になっても他者で埋めようとしていた。決して私の両親が悪い人というわけではないんです。私の母は続けて4人の子どもを産んだので、とにかく大変だったんだと思います。父も常に仕事が忙しくて、頼れない。もともと怒りっぽい母の矛先が、子どもに向いてしまった。家で親の目を気にするようになってから、自然とそのクセがしみついてしまって、学校に進学しても、会社に入社しても、変わらず人目ばかり気にするようになってしまったんです」


そして、結婚したいあまりに「結婚したいモンスター」と化した彼女は、次第に行為がエスカレートしていくように……。インタビュー後編では、モンスター化から脱却できた理由、そして婚活が上手くいかないと焦っている人に向けてのアドバイスなど、こちらも必読!

\今回紹介したのはこちら/

結婚したいモンスターになった私の話

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愛内あいる先生

愛知県在住。ゲームやコスメ、旅行が好き。主な著書に『自分の顔が嫌すぎて、整形に行った話』(KADOKAWA)。
取材・文/園田もなか
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