ひとつには前述の「タラレバ症候群」にかかっている、というのもあるけど、もうひとつは、あなたが常に「ないもの」にばかり目を向けているから、じゃないのかな。
・大学教授の彼は、そんなに気が合うけどオタクっぽくて太っているのが嫌だった。
・今の夫は、真面目で優しいけど会話下手でおとなしいからつまらない。
・結婚できたし子供も産んだけど、夫との会話が盛り上がらないから退屈。
全部「ない」ものにフォーカスしているのがわかるかしら。
そしてあなたは、結果的に「自分で決めた」という意識が持てなかったのも、後悔の一因になっていると思います。人間、自分の意思で決めたという自覚があれば、選んだ答えに責任が持てるもの。だけどあなたは大学教授とのことも返事を伸ばしているうちに相手から交際終了宣言され、自分で答えを出す機会を逃してしまった。結局、相手からお断りされたような気持ちになってしまったから、未消化な気持ちに未練や悔いが残っているのよね。

それに、彼を選ばなかったのは間違いじゃないの。そのとき、一緒に楽しくても無視できないくらいに彼の容姿が受け入れられなかったのなら、それがあなたの正直な気持ち。苦しいくらい悩んでも彼を選べなかったのなら、もしも時が戻っても、あなたは彼を選ばないのだと思う。
今そんな風に後悔しているのは、単純に、逃した魚が大きく見える現象と、「私だって上手くいけば大学教授夫人になれてたんだから」という虚栄心のせい。満足していないのは夫にじゃなくて自分自身に対してなの。今の自分に満足していたら、夫の肩書きなんてどうだっていいはずだから。
今の心持ちのあなたのままだと、その大学教授の彼と結婚していたとしてもきっと、「太っていてオタクっぽいのが嫌」って不満を抱える結婚生活になっていたんじゃないかしら。