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【実話】ウツで摂食障害で親のスネかじりで家父長制反対の私があえて「婚活」した理由

「コミックDAYS」で連載中の『ウツ婚!! 死にたい私が生き延びるための婚活』(磋籐にゅすけ/漫画、石田月美/原作)。アラサー女子の石田月美さんが「ウツで引きこもり状態」から脱却すべく婚活に奮闘し、パートナーと新たな気づきを得るまでの長く険しい道のりを描きます。ちなみに実話。with onlineでもコミック化連載開始を記念して、石田さんによる書き下ろしのスピンオフエピソード『ウツ婚!! remix』を配信。コミック連載や原作エッセイ(晶文社刊)では描き切れなかった爆笑&感涙エピソードをお届けします。

※本記事の最後でコミック版『ウツ婚!! 死にたい私が生き延びるための婚活』第1話&第2話が読めます!

私がウツで引きこもりなのは私じゃなくて社会が悪い。打倒、家父長制!

私だって一応、現代社会を生きる女性である。最初っから、「結婚したーい♡」なんて無邪気に思っていたわけじゃない。むしろ、「結婚制度反対! 打倒、家父長制!」とずっと思っていた。だから主治医に「結婚すれば?」なんて言われたときは「なんだと? この化石ジジイ!」くらいにはムカついた。
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漫画『ウツ婚!!』は「コミックDAYS」で連載中です!
自慢じゃないが、摂食障害からウツになり、その他諸々の精神疾患を山ほど抱えた私は、もはや現代社会の申し子、社会の闇の具現化と言っても過言ではない。だから、社会や家族、女性問題のことを散々調べたし、調べれば調べるほど、「私がこうなったのは私じゃなくて社会が悪い!」という気持ちになった。そんな私が「打倒、家父長制!」と思うのは当然で、「女性は結婚なんて制度に縛られず、経済的精神的に自立すべき!」と思ったのもまま当然だと思う。

でも、そんなご立派な理想を掲げながら、実家に寄生して親のスネと菓子パンを齧っている現実の自分との乖離が苦しくて仕方なかった。まずどこから始めれば良いのだろう。学歴も職歴もなく、あるのは病名ばかり。バイトの面接は落ちまくってるし、“精神的に自立”っていうか、行く場所が精神科しかなくて“精神科に依存”くらいの現状だ。私はそんな、どこから登ればいいのかも見当が付かない高い高い理想を掲げながら、マジで行くところがないから精神科ばかり行っていた。
とりあえず精神科に行けば、待合室で患者仲間と喋れる。なのに、せっかく会えた仲間にまで私は完全に「おまいう?」みたいな理想論を語って煙たがられていた。多分、怖かったんだと思う。理想を語っていないと、自分のみじめでみじめでみじめな現状を認めなきゃいけない。社会が悪いのはそうかも知れないけど、社会のせいにして何にもしてない自分を認めるのが私は怖かったんだと思う。そんなルサンチマンっていうかほぼ呪詛に満ちた理想論をかかげていた私に、大体の心優しき仲間たちは曖昧な笑みを浮かべ敬して遠ざかった。私は精神科ですら、ぼっちになりかけていた。それが更に怖くて寂しくて私の理想論は激化し、「結婚=悪」くらいの勢いでそれに賛同してくれそうな人を探し回った。

そこで見付けたのがヨウコ姐さんである。ヨウコ姐は20代で結婚し、夫のギャンブル依存症で離婚。30代の現在は女手一つで子どもを育てるシングルマザー。離婚したからって問題は全部解決するわけじゃないし、その後の揺らぎを支えるためにも通院中だった。浅はかな私はヨウコ姐なら、「もう結婚はこりごり」とか「男に頼らず自立すべし!」とか言ってくれるんじゃないかと思って、お決まりの理想論を披露した。でも、熱っぽい私の語りが一通り終わるまで待って、ヨウコ姐はこう言ったんだ。

「月美ちゃん、人生バツイチからだよ」
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