アラサー世代にとって、不安がありながらもいつかは子どもを産んでみたいと思っている人も多いと思います。安定期や、出生前診断、高齢出産、無痛分娩など言葉を知っていても、それぞれどういう状態を指すのかわからないかもしれません。
今回は、YouTubeやSNSを通して、女性の健康に役立つ情報を発信している産婦人科医の高橋怜奈先生に、妊娠したいと思っている人が知っておきたい基本的なことについて伺ってみました。
Q.母子手帳やマタニティマークはどこでもらえるの?
「診察を受けている病院でもらえるんでしょ?」と思っている方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、実は病院では配っていません。基本的に市区町村でもらうことができます。母子手帳には、妊婦検診の無料クーポンや割引券も入っているので、無くさないようにしてください。
ただ妊娠しても、初期は流産の可能性があるので、心拍が確認できてから、などしばらく状況を見た上で「そろそろもらいに行ってください」と病院が案内するケースが多いです。
Q.安定期という言葉をよく聞くけれど、実際にはいつ頃のこと?
実は、安定期という言葉は医学用語ではありません。一般的には「胎盤が出来上がる時期」のことで、妊娠16週以降を安定期と呼ぶことが多いです。しかし、妊娠・出産は身体が大きく変化し、赤ちゃんがお腹の中で成長していたとしても実際にはお母さんと赤ちゃんにいつ何が起こるかは予測できません。いわゆる安定期に入ったとしても、心と体といたわることを忘れず、何か心配なことがあれば産婦人科を受診するようにしましょう。
ちなみに、一般的にマタニティヨガやマタニティビクスは16週以降から許可しているところが多いです。早いところだと13週以降ならOKというところもあります。担当医の許可がでており、体調が良ければ、妊娠中の適度な運動は心身のリフレッシュにもなりますので、無理のない範囲で取り入れるとよいでしょう。ただしそれまでは家でじっとしていなければいけないわけではありません。妊娠前から運動習慣のある方は軽い有酸素運動など続けることが可能なことも多いので、担当医に相談してみてください。
周りに妊娠を報告する時期は、両親や職場など、関係性によって異なると思いますが妊娠12週ごろまではまだ初期流産が多い時期ですので、それ以降のほうが安心かもしれません。
Q.妊娠中も仕事は続けても問題ない?
医師から止められていない場合は、普通に仕事をしても大丈夫です。妊娠中はつわりや体調不良が起こりやすいので、体調が辛い時は我慢せずに職場に伝えてください。産婦人科では診断書や、職場へ症状を知らせる母健連絡カード発行する事ができます。身体が辛い時は、無理せずに医師に相談してくださいね。
Q.何歳から高齢出産って言われるの?
日本産科婦人科学会は、35歳以上で初めて出産する場合は『高年初産婦』と定義しています。実は高齢出産という言葉は医学用語ではなく、一般的には35歳以上を高齢妊娠、高齢出産と呼ぶことが多いのです。今は平均結婚年齢が上がっているため30代後半で出産をする人も多いですが、高齢での妊娠は流産・早産率も高く、出産に至るまでの間も、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクも上がります。
最近では高齢出産される芸能人の方も増えていますが、「芸能人が高齢出産している=私も大丈夫」というわけでは決してありません。リスクがあることもしっかりと知っておきましょう。
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