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編集部|ピープル

なぜ、日本で「親ガチャ」という言葉が広まったのか。ブレイディみかこが語る、日本とイギリスの違い

人種差別や貧富の差が広がる、イギリスの“底辺”中学校に通う息子の日常を綴った、累計100万部を突破した『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社/以下、『ぼくイエ』)。著者のブレイディみかこさんは、1996年からイギリスに渡り、一貫して“格差社会の現実”を描き続けている。そんなブレイディさんの最新作『両手にトカレフ』(ポプラ社)は、初となる長編小説。『ぼくイエ』では描けなかった、“現実を超えるリアル”に挑んだというブレイディさん。本作の刊行を記念して、全4回にわたってインタビュー。本作にこめたもの、そして日本人が変えるべき意識とは――。

▼これまでのインタビューはこちら▼

 

社会全体を変えることに繋がる“エンパシー”

――シンパシーは「かわいそうな立場の人や問題を抱えた人、自分と似たような意見を持っている人々に対して抱く感情」で、エンパシーは「自分とは異なる思想や信条を持った人、かわいそうとも思えない立場の人たちの感情や経験を理解する能力」のことだと『ぼくイエ』にも書かれていました。

シティズンシップ教育(他者を尊重しながら、市民として社会的な役割を果たせるようになることをめざす教育)については、『ぼくイエ』でもずいぶん書きましたが、広い視点で物事を見られるようにならなければ、という意識がイギリスではとても強いんです。それは、日本と違ってさまざまなルーツを持つ人たちが一つの教室、一つの社会に集まっている、ということも、もちろん影響しています。

たとえばウクライナ問題を学校で話しあうことになったとき、その教室にはロシアから来た子もいれば、ウクライナやベラルーシから来た子もいるかもしれない。一方的な視点で物事を語ることは、どうしたってできないんです。私も、親しいイラン人の友人が「イギリスがシリアに爆弾を落としていたときは、こんなに報道していなかったのに」と言うのを日常的に聞く機会があります。そんなふうに、子供の頃から生まれ育った背景によってさまざまな視点があることを知り、異なる価値観をもつ相手と話しあうことは、個人の視野を広げるだけでなく、自分とは無関係に見える他者にも手をさしのべ、社会全体を変えていくことにも繋がっていくのだと思います。
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