ピープル
神崎恵「もう、メイク落としていいですか?」
22.Jan.2021

神崎恵「自分が自分でいることができるひととの距離」【もう、メイクを落としてもいいですか? vol.23】

美容家・神崎恵さんによる連載「もう、メイクを落としてもいいですか?」。第23回目は「距離」という題でお届けします。

vol.23「距離」

今年はやけに考え、悩み、思う1年だった。こう口にすると「コロナ禍」だったから? と聞かれることも多かったが、それだけではなく、年齢なのか? タイミングなのか? 自分の今までや今、そしてこれからについて深く考えている1年だ。

思い返してみれば、2年ほど前から、そんなもやもやが少しずつ始まったように思う。ふと、自分のやってきたことは正しかったのか? 今の自分には意味があるのか? これから先の自分には希望があるのか? と考える。その考えが、浮かんでは悩み、薄れたと思うとまた浮かんでくる。

なぜ、そんな思いに支配されているのか? 自分の現状や頭や心の中をざっと広げ、並べてみた。
原因のひとつは「余裕」、かもしれない。

わたしはいつも数年単位で達成できる目標を掲げ走ることにしている。

その目標に向かってとにかく走るのだが、数年前に決めた目標にここ1、2年でひとまず到達できた。

それが良くも悪くも「考える余裕」をつくってしまったのかもしれない。脇目もふらず、息継ぎもせずゴールし、ふとまわりを見渡す暇ができてしまったからだろう。そんなときには、今まで見えなかった周りのいろいろなことが鮮明に見えてしまうものだ。隣の芝の青さとは軽く受け流せないほど、不安や焦りや妬みというどろんとした感情が湧いてくることもある。自分のことがとたんにくだらなく思えてしまうものだ。人間だもの、そんな感情もあたりまえ。そう思ってはいても、やはりそんな思いは少ないにこしたことはない。これからも、これを繰り返していくと思うと、なにか少しでも手を打てることはないかと考える。

このもやっとした気持ちを増殖させるものもある。

「距離」だ。いまはとにかくひととひととの距離が近い。密とかソーシャルディスタンスとかそういった実質的なものではなく、ここで考えたいのは意識の距離。
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