ピープル
神崎恵「もう、メイク落としていいですか?」
27.Dec.2020

神崎恵「人生の『制限時間』はいつなのか?」【もう、メイクを落としてもいいですか? vol.22】

美容家・神崎恵さんによる連載「もう、メイクを落としてもいいですか?」。第22回目は「制限時間」という題でお届けします。

vol.22「制限時間」

42歳になる友人が、「今から転職するのはあり? なし?」と聞いてきた。

今の仕事に不満はないけれど、ふと、毎日の中で固まりきった安定・安心が物足りなく感じたらしい。これからまだまだ続く毎日を思うと、ここらへんでもう一度動きを感じてみたいというのだ。
 
転職。これに制限時間はあるのだろうか? 友人の話を聞きながら、そんなワードが浮かんできた。

わたしがこの仕事を目指し始めたのは、今から15年ほど前。30歳になるかならないかという頃だった。30歳。これはこれで20代を生きていたわたしにとっては大きな賭けだと感じていた。予測できない自分の30代というものが、20代より数倍「揺るぎなく固くあるもの」だと思っていたからだ。

でも実際、30代になっても、さほど変わりはなかった。外から見る目の一部が変わるだけ、10代、20代同性からの「もうおばさんね」風味の眼差しと、異性からの対応の色や熱がほんのすこし変化するだけ。今思えば、たいしたことのない変化だ。
自分の中はそれほどの変化はなく、20代とは違うな、と肌や体をみて自覚することはあっても、可能性が減っている、生きる力が衰えたと思ったことはなかった。

今思えば、失うものがなかったのもよかったのかもしれない。離婚をして、大切なもの、守るべきものは息子たちだけ。そんなシンプルな自分の人生が、前を向くしかないという力になっていたような気がする。
 
45歳になり、思えば、20代、30代はまだまだなんにだって挑戦できる年代だ。人生の軌道修正だって、新しい道の開拓だってできる。いい年代だなと感じている。

年齢って面白く厄介なもので、過ぎてみて振り返ると、あの時のわたしにはなんて力強い可能性があったんだろうと思うのだ。年々、去年の自分が持っていた可能性を羨ましく思うのだから面白い。40代に入ると、なおそれがわかる。
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