ピープル
神崎恵「もう、メイク落としていいですか?」
24.Apr.2020

神崎恵「恋心の生存確認」【もう、メイクを落としてもいいですか? vol.14】

vol.14「恋心の生存確認」

昨日、久々に号泣した。ティッシュ箱を抱えて、とにかく1時間強泣き続けた。何にこんなに涙したかというと、べたべたの「恋愛ドラマ」だ(笑)。ストーリーの中の男の表情に泣き、女の一言に泣き、忙しいったらない。泣いてすっきり。他人の恋愛事にこれだけ泣けるものなのかと、面白くなってしまった。

いや〜、恋。いいもんだ。


普段は色恋とは、まったくかけ離れた毎日を送っているけれど、映画やドラマは断然恋愛ものが観たい。かけ離れているからこそ、ストーリーの中の恋のあれこれが、とてもいい。現実世界ではつい冷めた目でみてしまう恋というものが、素晴らしく美しいものだと素直な気持ちで感じることができるからだ。

 先日、8つ上の友人がぽつり、「なんか、女が終わるまでに、もう一度 恋しておきたいわ」とつぶやいた。


50代に入り、自分の体や心の変化を感じながら、「もうすぐ女の自分は終わっていくのだろう」と思ったら、ふと、何年も休んでいる「恋」が恋しくなったらしい。最近離婚した同世代の友人は、「離婚の痛みも消えた今、なんか今ものすごく恋がしたいんだよね」と話してくれた。「男なんて、恋なんて、もう必要ないわ」と断言していたふたりの恋への思い。麻痺していた心のある部分がちょっとさわさわとした。

恋。そういえば、現実世界の大人から久々に耳にした言葉だ。


若い頃は、なにより大好物で、興味しかなかったのに、大人になるたびに面倒で取り扱いづらく、距離を置きたいものに変化していくのを感じる。

いつのまにか、自分のキャリアのほうがずっと面白くて、時間と努力は他人との恋ではなく、自分に捧げたくなるのだ。あたりまえのように出会ったり、落ちていた恋が、笑えるくらい遠く薄い存在になっていく。

驚くのは、今の若い世代もそうで あること。

まわりの20代〜アラフォー女子がみな声をそろえて「恋愛とか面倒くさい」「仕事と恋愛どっちかとれといわれたら、即答で仕事」というのだ。

わたしたちのその頃といったら、まだまだ恋愛に溺れていたい時代だった。流行りのドラマはほぼ恋愛ものだったし、集まれば恋愛話、どこにいっても恋の気配を感じ、吉も凶も恋の醍醐味として味わえた。
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