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神崎恵「もう、メイク落としていいですか?」

神崎恵「誰かを見て、何かを見て、自分が惨めになる。そういうときは…」【もう、メイクを落としてもいいですか? vol.32】

美容家・神崎恵さんによる連載「もう、メイクを落としてもいいですか?」。第32回目は「SNSは最後のページに」という題でお届けします。

vol.32「SNSは最後のページに」

「神崎さんを見ていると、自分が情けなくなってしまって、しばらくインスタを見ることができずにいました」

「そんなことはまったくないんですよ」と全力で伝えたくなるコメントが届くことがあります。一瞬一瞬だけが切り取られて見えるSNSのページ。例えば底には濁りのある水も、透き通って見せてしまうのかもしれません。一枚の絵にしても、ひとつの言葉にしても、そこに受け取る側の気持ちの具合が関係してくるのも確かです。いつもならなんでもない一言が、ぐさりと刺さることもあれば、心浮き立つ一言に変わる日もある。なんでもない場面が自分を惨めにさせることもあれば、心地よさをもたらすこともある。

とくに、直接ではないSNSの距離感は、よりそんな自分の感情をよくも悪くもじっくりと味わえてしまう。そう感じています。
わたし自身も、そんな思いをもつことがあります。誰かを見て、何かを見て、自分が惨めになる。自分の存在も、していることも、全てがくだらないものに思えてしまう。そういうときは、決まって体や心が疲れているときで、この感情を確認すると「あ、疲れてるな、わたし」と呼吸を忘れていたことに気がつきます。

年々、自分とひととの間に、境界線が引けるようになりました。持っているものも、考えも、行動も、自分は自分、ひとはひとだと。現実として、平等ではないことも知りました。ですが、疲れていると、この線がぼやける。やっと引くことを覚えたというのに、また引けなくなるのです。
次のページ>>少し前、ちょうどそんなタイミングでした。  
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