ピープル
神崎恵「もう、メイク落としていいですか?」
21.Feb.2021

神崎恵「あえてアウェーに飛び込む勇気を持つこと」【もう、メイクを落としてもいいですか? vol.23】

美容家・神崎恵さんによる連載「もう、メイクを落としてもいいですか?」。第24回目は「アウェー」という題でお届けします。

vol.24「アウェー」

あと数ヵ月で、進級する息子たち。この時期は、息子本人はもちろん、わたしも母として少しそわそわするものだ。

クラス替え。これは何度経験しても、自分のことではなくても、そわそわと落ち着かない。ひとはいい意味でも悪い意味でも「環境」によって変わることを知ってしまった今。どうか息子がいい環境に恵まれますようにと願うほどに落ち着かない気持ちになる。大人たちが「いい出会いをしなさい」「いいお友達と付き合いなさい」と言っていた意味が「わかるなぁぁぁ」と今になって納得してしまうのだ。まわりにいるひとによって、自分というものが面白いくらいに色を変えることをわたし自身経験してきた。

生きてきた数十年を振り返る。どれも自分ではあるけれど、過去の中には恥ずかしい自分や、思いやりに欠けていた自分がいて、まわりの環境に流されたりひっぱられたりしていたのがよくわかる。
ひとのせいだけにするつもりはない、環境がそうさせたと言い訳をするつもりでもないけれど、自分を持つことができなかった弱さに合わせて、やっぱりまわりの雰囲気というものも間違いなく影響しているのは確かだと感じている。

いい出会い。
ひと、もの、こと。

自分の中の可能性をひらいてくれるなにかとの出会い。それは予想以上の大きさで人生を変えるものだ。わたし自身、今までそんな人生の句読点になるような、ときに大きな改行になるような出会いがあった。

美容家になろうと決意し動き始めたときも、ある編集さんの一言が力強く背中を押してくれた。シングルマザーになったときに弁護士から言われた「法律は守ってくれない、自分で自分を守るしかない」という言葉は、なんとしても自立し、大切なひとたちや自分を守れる強さを持とうという覚悟をくれた。長年悩んでいたくせ毛が好きになれたのは、くせ毛の可愛さを教えてくれたヘアスタイリストとの出会いだったし、甘いだけではない辛くシンプルな服の楽しさを教えてくれたのは、あるスタイリストとの出会いだった。

たとえ些細(ささい)な一言でも、そんな出会いは気持ちを変え、生き方を変えてくれる。
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