ピープル
神崎恵「もう、メイク落としていいですか?」

神崎恵「仕事を続けていくことに疑問を感じた時に、救われた一言」【もう、メイクを落としてもいいですか? vol.30】

美容家・神崎恵さんによる連載「もう、メイクを落としてもいいですか?」。第31回目は「プライドと自尊心」という題でお届けします。

vol.31「プライドと自尊心」

久々に、どっぷりと落ち込みました。

久々に、悔し涙を流し。
久々に、動けなくなり。

初めて、仕事を続けていくことに疑問を感じた出来事。心の感触的に例えるなら、家族ぐるみで長年おつきあいをしていた婚約者が、ある日突然違うひとと結婚した。それを予告なしに目の当たりにしてしまった。そんな衝撃。

誰かを信じることの難しさを痛感した日でした。そんな衝撃を受けると、今まで考えることのなかったことや、考えるのを忘れてしまっていたことを次々に考えるもので、「自分の何かがいけなかったのかもしれない。自分には何かをする力も資格もないのかもしれない」一日中そんなことをひとつひとつつまみあげ、ますます気落ちが萎えしぼんでいく。

本当はなにもなかったかもしれないものを信じてしまった自分の甘さや、でもどうして? と浮かんでくる「?」。気をぬくとぼろぼろと涙が溢れてくる始末。
そんなこんなで数日たち、経緯を知るあるひとからかけられた言葉が忘れられずにいます。

「それはあたりまえのことで、その涙はプライドじゃなく自尊心です」

この一言に救われた。「悔し涙はただ気が強いだけ、ただのプライド」。部活少女だった数十年前、顧問のコーチから投げられたこの言葉がいまだにこびりついていて、くやしいと涙を流すことは情けないことだとどこかで思っていたわたしには、深いところからすっと掬(すく)ってもらえたような一言でした。

自尊心。
そうだった。だれかがどう思おうと、精一杯やってきた。それをいちばん知ってるのは自分なのに、自分を否定してどうする。頭と心が整う瞬間。

自分で自分を信じること、自分を尊い存在だと思うこと。言葉にすると難しいこの心も、ひとつひとつ積み重ねることで育ってくれるものだと感じています。
次のページ>>例えば、人前での発表やプレゼンで力を出し切るには…  
19 件

キーワード

急上昇キーワード

新着記事

あなたへのおすすめ