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21.Feb.2021

川谷絵音「地味なバンドなのは自分で一番わかってる。だからこそ地道にいい音楽を作るしかない」【indigo la End『夜行秘密』記念インタビュー】

川谷絵音さんが中心となり、2010年に結成されたindigo la End。2020年に結成10周年を迎えたが、彼らの進化が止まらない――。2019年にTikTokから若い世代を中心に『夏夜のマジック』がデジタルヒット。新曲がリリースされるたび最高再生数を更新し、新たなファン層が拡大している。

そんなますます注目を集めるindigo la Endが約1年4ヵ月ぶりに、通算7枚目となるフルアルバム『夜行秘密』をリリース。with onlineでは発売を記念し、全3回にわたりインタビュー記事をお届け。最終回となる今回は、「幸せ」の概念、そしてindigo la Endの未来について迫る。

\これまでのインタビューはこちら/

川谷絵音が最近「ショック」を受けた出来事とは?

――indigo la Endの楽曲はひとりの空間を音楽にしたものや、他者との距離を描いたものが多い気がしていて、せつなさも心地よさへと昇華されていると感じます。「幸せとはなるべく自分がひとりであることを感じない人生」と語られることもありますが、「幸せ」の定義は少しずつ多様化していますよね。特にwith onlineのメイン読者の20代後半~30代前半は、自分の幸せについて考える機会が増えると思うんです。

川谷絵音さん(以下敬称略) 「幸せ」も人それぞれですよね。だけどみんな、他人の幸せに憧れているところがあると思うんです。だからみんな友達の真似をして、インスタで映える写真を載せたりして。それが幸せなのかどうかはわからないけれど、それを幸せだと思う時期も重要だと思うし。……“他人の幸せ”で思い出したんですけど、最近お年玉をあげる立場になったことで、改めて自分自身について考える瞬間がありましたね。

――川谷さんには甥っ子さんと姪っ子さんがいらっしゃるんですよね。

川谷 姪っ子は僕がバンドマンなのを知っているんですけど、甥っ子2人は僕がどんな仕事をしているかも知らないし、下の甥っ子にはほとんど会ったこともないんです。正直、今時の小学生は生意気かと思ってたんですけど、めっちゃくちゃ礼儀正しいお年玉のお礼のメッセージが来て。丁寧だし、おまけにちゃんと敬語なの。……僕、それを見てすごくショックを受けちゃって。

――というと?

川谷 僕の兄と姉は、ふたりとも結婚して子どももいて、持ち家に住んでいて、THE幸せな家族なんですよね。おまけにちゃんと子どもの教育ができている。兄をナメてたな、これが本当の幸せなんだろうな、と思ったら、「家族の中で僕だけなにやってんだろ?」って――すごくせつない気持ちになりました(苦笑)。

川谷「当たり前を当たり前だと思わない人が、ちゃんとした幸せを掴むのかも」

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――奇跡的なバランスのバンドが続けられていることも、とても幸せだと思いますよ。

佐藤栄太郎さん(以下敬称略) 僕らもよく「バンドで成功できるのはひと握りしかいない」と言われますし、バンドで飯を食べられているのはありがたいと感じていますけど、やっぱり当事者はそれを幸せだとは実感しないですよね。いろいろと課題はあるし。

川谷 僕、こんなに自由に生きてて大丈夫なのかな? と思ったりもするし。みんな当たり前になっていることを幸せだとは実感できないよね。僕は兄と姉のことを幸せだと感じるけど、本人たちは特別幸せなことなんだと思っていないかもしれない。当たり前を当たり前だと思わない人が、ちゃんとした幸せを掴むのかもしれないですね。常日頃それを感じないといけないなと思うんですけど、音楽を作ったり歌詞を書いたりしているときに思考をフル回転させちゃうから、それ以外の場面で生き方についてちゃんと考えるのはなかなかヘビーですね。
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