猫は聞いていたよりもずっとマイペースな生き物だった

「嬉しかった」というのが大前提としてはあるんですが、僕自身は猫を飼ったことがなかったので、少し不安もありました。今回演じる立花修は、猫を飼ったことはないけど猫が大好き、という25歳。ある意味、僕と同じような猫歴なんですが、いざ演じるとなると猫とどう接すればいいんだろうか、と。猫に関しては素人だったので、猫に対して何か失礼してしまわないかという不安はありました。
――人生で初めて猫としっかり接してみて、印象はいかがでしたか?
聞いていたよりもずっとマイペースな生き物だな、と感じましたね。「猫は犬と違って人間の言うことを素直には聞いてくれない。だから僕たちが猫に合わせて撮影していきます」ということは前もって伝えられていたんですが、それでも思っていた以上に猫は猫だったな、と(笑)。こちらが欲しいタイミングで欲しい動きをしてくれる、ということがほとんどなくて、カメラマンさんなどスタッフの皆さんはとにかく大変そうでした。でも僕としては、その生き方が逆にうらやましいなと思ったし、猫たちに合わせていくことでチームとしての団結感も生まれたんじゃないかなと感じています。
修のように、僕も「引っ張る人を隣で支えたい」タイプ

司法浪人生という役柄ではありますが、とくに試験に挑戦しているようなシーンはなく、物語自体はシェアハウスにおける猫を介した人間ドラマなので、あまりその設定は意識せずに演じていました。ただキャラクターとしての立ち位置は、監督からもわりとしっかり伝えられていて。修は、シェアハウスのオーナー・二星優斗(古川雄輝)の右腕的存在なんです。優斗は猫のことは何でも分かるけど、人間のことは全く分からないという人。でもシェアハウスの住人が増えてきて、オーナーとしていろいろと話し合いや決断をしなければならない場面が増えてくるのですが、そこで優斗をサポートしみんなをまとめる、というのが修のポジション。そんなふうに立ち位置がはっきりとしていたので、あまり迷わず演じることができました。
――修と細田さんは似ている部分はありますか?
修ほどは人としてできていないです(笑)。ただ立ち位置という点では、僕も学生時代は自分が引っ張るというよりは、引っ張る人を隣で支えたいというタイプだったんです。そこは重なる部分があるかな、と思いました。