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ターニングポイントになったのは、映画「町田くんの世界」

やはり「町田くんの世界」ですね。このお仕事をこれからもずっとやっていきたい、と感じましたし、お芝居の楽しさや映画製作のすごさも学ぶことができたんです。
――「町田くんの世界」は、1000人以上ものオーディションを経て、主役に抜擢されたんですよね。
初めて主演という立場でやらせていただいたのがこの映画だったんですが、全ての製作過程に参加させてもらうことができて。それこそロケハンから衣装合わせ、リハーサルまで。本来、役者が経験できないようなことにも、石井裕也監督が積極的に参加させてくださったんです。作品作りを一から知ることができたので、これだけいい経験をさせてもらった以上はしっかりと自分を成長させたいと思いましたし、何より「作品が届いた」という手ごたえを実感できたのが嬉しかったです。
「同世代に負けたくない」気持ちから比べてしまうことも
辞めたくなったことは今までありませんが、ネガティブになってしまうことはありますね。わりとプレッシャーを感じやすいタイプなので、自分の思い入れが強い作品や、初めてチャレンジするような役がきたときに、思い悩むことは多くなるかもしれません。
――同世代の俳優さんたちと比べてしまうことはあるんですか?
ものすごくあります。このお仕事って正解がないから比べようがないし、比べるだけムダだってことは、もちろん頭では分かっているんです。世の中同じ人間なんていないし、比べる行為は本来必要ないとは思っているんですが、“同世代に負けたくない”という気持ちはあって。そこから「比べる」という考えになってしまうんですよね。いらない考えだな、と思いながらも、まだまだ脱することができていません。結局のところ、それはお芝居で発散するしかないと思っているんですが……。