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斎藤工「幸せのかたちも、“家族”としての理想的なありかたも人それぞれ」“妊娠する男性”を演じて感じたこと

もしも、すべての男性に妊娠・出産する可能性がある世界だったら――。社会派コメディシリーズ『ヒヤマケンタロウの妊娠』がNetflixにて全世界独占配信中だ。同名コミックスが原作の本作。仕事第一優先で独身生活を謳歌していた桧山健太郎が、「自分が」妊娠することで今まで見えていなかった社会の問題に直面し、パートナーの亜季と奮闘しながらも周囲の人、そして自分自身の「無意識の偏見」を変えていく姿が描かれる。そんな本作で妊娠した男性・桧山を演じた斎藤工さんに、全3回にわたりインタビュー。本作を通じて感じたこととは――。

これまでのインタビューはこちら

他者の基準で揺れてしまうのは、あまり健康的とはいえない

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――自分の代わりなんていくらでもいる、と自覚しながら、腐らずに自分らしさを貫いていくためには、どうしたらいいのでしょう。

目に映るもの、耳に入るものを、自覚的に制限するのが大切なんじゃないでしょうか。“他人にとっての自分の価値”を考え過ぎてしまうのは、世の中に垂れ流されている情報をあまりに無自覚に受け取っているからだと思うんですよ。どういう状況においても「みんなはどうしているんだろう」と探ってしまい、自分をできるだけ平均値に置こうとしてしまう。どうやら自分は全体的にみたらマイナスの場所にいるらしい、と知ると悲観してしまう。自分ではなく、他者の基準でゆらゆらと揺れてしまうのは、あまり健康的といえないんじゃないのかな。

ほんの数秒でいいから、目を閉じてみる。音のない場所に身を置いてみる。それだけで心はリセットされるんじゃないかと思います。やっぱり、人間ってアナログな生き物だと思うんですよ。これほどデジタルが発達したからといって、人間の機能そのものが一緒に発達しているわけじゃない。むしろ退化している可能性すらある。
――感度が鈍くなったり、自分で考えることをやめてしまったり……。

僕は最近、発酵食にハマっていて……この話を始めると長くなってしまうのでほどほどにしておきますが(笑)、腸内環境を整えることに重きをおくようにしたら、ガワのことはあまり気にならなくなりました。なんだか気の合わないことを言う人がいても「この人は、腸の状態がよくないんだな」と思うようにしてます(笑)。でも実際、自分を整えるために必要な食事を用意したり、発酵食について学んだりしていたら、心身の状態が健やかになったんですよ。自分のキャパがわかるようになった、っていうのかな。自分にとってちょうどいいところを自然と探れるようになっていった。

――それが、他人の基準に惑わされないということにもつながるんですね。

僕は去年、40歳を迎えて、一般的には働き盛りといわれる年齢かもしれないけれど、個人的には老後に入ったと思っているんです。なんて言ったら怒られちゃうかもしれないけど、何かをやりたいと思ったときに時間や体力が足りないということにならないよう、自分の状態を整えておきたいし、老後のつもりで自由に肩ひじ張らず生きていけたらいいなと思っています。俳優としてこうなりたいとか、こういう映画をつくりたいとか、そういう野心もないわけではないけれど……たくさんの人に観てもらえるとか、フォロワー数が何人いるとか、そういうところとは離れた場所に立ち返って、改めて仕事の向き合い方を考えたいとも思っています。
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