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声優界のレジェンド・野沢雅子が語る、“声優”の楽しさ「失敗は重ねたほうがいい」理由とは

『ゲゲゲの鬼太郎』『銀河鉄道999』、そして『ドラゴンボール』……。日本のアニメの黎明期から活躍され、まさに声優界のレジェンドである野沢雅子さん。中でも1986年から演じ続ける『ドラゴンボール』シリーズの孫悟空は、「野沢さんといえば?」という問いに多くの人が挙げる代表的キャラクターだろう。そんな『ドラゴンボール』シリーズの劇場版最新作『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』が6月11日(土)より公開。今回の敵はかつて悟空によって壊滅した“レッドリボン軍”で、新たな人造人間と激突することに――。そんな本作の公開を記念し、全3回にわたって野沢さんのインタビューをお届けする。

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キャラクターを生かすも殺すも役者次第。“アニメーション”の楽しさとは

――ガンマ1号役の神谷浩史さんが、『ドラゴンボール』に出演できるなんて「声優を続けてきてよかった」とおっしゃっていましたが、野沢さんがそう思うのはどんなときですか?

毎回、毎瞬、思っていますね。声優というお仕事を始めた、最初から。私には、声優の先輩というのがいなかったんですよ。というのも、もともとは劇団所属の女優でしたから。デビュー作がどれだったかも、自分ではよく覚えていないんだけど、とにかく声優を目指してプロダクションに所属していたわけじゃないので、全部手探りだったんです。その中でも、アニメーションのお仕事はとくに好きだった。洋画の吹き替えは、すでに海外の俳優さんがお芝居しているものを汲みとって、寄せて演じなくてはいけないでしょう。全く同じにはならないかもしれないけれど、声のトーン一つ違うだけで、物語の流れが壊されてしまいかねません。でもアニメーションは、全部ゼロからつくることができる。それが、すごく嬉しくて。
――自分が最初に、命を吹きこめる。

キャラクターを生かすも殺すも役者次第。その緊張感とやりがいを毎回重ねて、今に至っているので、毎回「ああ、このお仕事ができてよかった」と思います。生きたお芝居を心がけているので、脚本を読みこむということもあんまりしないんですよ。自分の頭の中で全部しっかり組み立ててしまうと、作られた芝居になってしまうでしょう。「あ、次、こうくるな」って予想しながら声を吹き込むのがあまり好きじゃなくてねえ。人と会話するときだって、どんな反応が相手から返ってくるかわからないから楽しいし、思いもよらぬ言葉や表情を引き出せたりするわけじゃないですか。

――じゃあ、アドリブもけっこう加えるんですか?

ときどきはしますが、あんまりやらないように心がけてはいます。生きたお芝居をするのと、私が好き勝手するというのは、違いますからね。読みこみすぎることはないけど、脚本を無視することもしません。だって、私の勝手な解釈で、勝手な流れをつくったら、原作者の方にも失礼でしょう? ただ、アドリブがとってもお上手な人もいて、作品を壊さないよう生きたアドリブを盛り込める方もいるので、それはそれでありだな、と思います。あくまで私はやらない、というだけで。人は人ですからね。
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