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08.Sep.2019

小栗旬「現代の自立した女性たちへのエールにもなるんじゃないかな」映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』

以前、ある役者さんが「小栗旬はちゃんとエンターテイメントを背負い、真ん中に立ち続けている」と話していた。映画『人間失格~』を見ればその言葉に納得する。女遊びが激しく、女の敵とも言える太宰治をセクシーにチャーミングに演じ切る。これはもう好きにならずにはいられない。
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PROFILE

1982年12月26日生まれ、東京都出身。公開中のアニメーション映画『天気の子』に声優として出演中。公開待機作には映画『罪の声』、ハリウッド映画『ゴジラVSコング(邦題未定、原題GODZILLA VS. KONG)』などがある。

太宰の口説き文句はキザで僕には言えないな(笑)

蜷川実花監督が構想に7年を費やし、天才作家・太宰治の禁断の恋と人生を描いた映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』。今作で主人公の太宰を演じた小栗旬さんは、出演オファーをもらった当初、少し躊躇(ちゅうちょ)したと話す。

「学生時代、『人間失格』という作品のセンチメンタリズムに共感する瞬間はありましたが、今、読んでみると共感できる部分が少なく、そんな人物を演じるのは難しいなと。ただ、脚本を読んだらシビれるほど秀逸で、俳優としてこういう作品には出なきゃいけないなという思いになりました」

出演に際して、蜷川監督の言葉にも強く背中を押されたそうで……。

「実花さんが『太宰を描こうと思ったとき、トップを走っているのにその人の抱える苦悩が世間に伝わってない人は誰だろう? と考えた際、小栗くんの顔が浮かんだ。太宰はとてつもない才能がありながら、なかなか世間から認められないスター。そんな環境が自分と小栗くんと似ていると思う』と話されていて……。

太宰が生み出した作品は彼の死後、さらに人気を博していったけど、生前は『ポップでキャッチーなことやりやがって気持ち悪い』みたいに批判されている。そういった環境は僕も実花さんも似ている気がするし、今作に対する彼女の挑戦もすごく理解できたので、覚悟を決めました」

実際、小栗さんは蜷川監督が描く“究極のダメ男でモテ男、才気と色気に溢れた最高にセクシーで愛おしい太宰”を見事なまでに表現した。

「でも、撮影中は終始迷っていた気がします。太宰の中にはもっと深い憎悪や悲しみもあったと思うけど、僕たちはどう頑張っても太宰が見ていた一部分しか描くことはできない。それに太宰の台詞にはキザな言葉も多くて、愛人の富栄を口説く時の『君は、僕を好きだよ』とか『死ぬ気で恋、する?』という言葉はよく言ってたらしいけど、僕には言えないな(笑)」

3人の女を愛し、傷つけながら、人生を謳歌した太宰という男の生き様。小栗さんは「この人は一体何がしたかったんだろう」と理解に苦しむ半面、どこか憧れもある、と正直にもらす。

「太宰と同じ戦後の混沌とした時代に生きていたら、僕も太宰と同じように本能的に生きていたかもしれません。ある意味、ものすごく人間らしい生き方ですよね。時代のせいにするわけではないけど、今はあまりにも理性的になりすぎてるんじゃないかとも思う。僕もどちらかというと動物でいたいタイプなので、誰に怒られようと本能の赴くままに生きてみたかった(笑)」

そう大口を開けて笑う姿は清々しくて、どことなく太宰と重なる。一度きりの人生、こんなチャーミングな男性になら振り回されてみたいかも!?

「今作は太宰というピエロに振り回された女性たちが、最終的にはみんなスッキリする物語のような気がするんです。だから、現代の自立した女性たちへのエールにもなるんじゃないかなって。『Let'sダメ男を捕まえよう。その先の人生は気持ちいいかも』って。こんなこと言ったら怒られるかな(笑)」

INFORMATION

『人間失格 太宰治と3人の女たち』

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スター作家の太宰治は身重の妻・美知子と二人の子供がいながら、恋の噂が絶えず、作家志望の静子と愛し合い、未亡人の富栄にも救いを求めていく。小説『人間失格』の執筆前後の太宰治の人生を基軸に描いたスキャンダラスな物語。9月13日全国公開。
©2019「人間失格」製作委員会

撮影/野口マサヒロ(BIEI) スタイリスト/本田博仁 ヘア&メイク/CHIKA KIMURA(tsujimanagement) 取材・文/関川直子※再構成 with online編集部

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