超大型新人俳優・岡田健史さん

歴史と伝統が息づく京都の町で、僕は何を感じ、思うのだろう
桜の時季にはまだ少し早い肌寒さの残る3月末、俳優・岡田健史は初めて京都の町に降り立った。せっかく人生初めての京都を楽しむのだから、この町にふさわしいお誂(あつら)えを。京都室町で創業280年を迎えた「誉田屋源兵衛」でまずは着物を見立てる。現在は十代目である山口源兵衛氏が、代々受け継がれてきた技術とともに「革新」の精神で着物、帯を発表している老舗だ。岡田さん、京都を訪れるのが初めてならば、着物に袖を通すのも人生初。「これまで球場ばっかり行っていた」という青年は、この日、人生の初体験をいくつも経験することになる。〝破れ格子〞と呼ばれる白地に黒の格子柄の浴衣に袖を通し、臍下丹田(せいかたんでん)でキュッと帯を締め、背筋をピシッと伸ばした岡田さんが姿を現すと、十代目・源兵衛さんがこの着物の由来を話してくれた。