堀未央奈さん演じる最凶の浮気妻・藍子に振り回されるTHE・良い旦那さんの暢を演じるのは、俳優の犬飼貴丈さん。2017年に仮面ライダービルド役でお茶の間の人気を博し、大ブレイク。数々の映画やドラマに出演、2021年には大河ドラマ「青天を衝け」(NHK)にも出演するなど俳優としてのキャリアを築く一方で、昨年9月にはYouTubeチャンネル「THE 犬飼」を開設。シュールな笑いを誘う飾らないキャラクターに新たなファンも急増している。今回はますます活躍の幅を広げる犬飼さんに、本作のテーマでもある “不倫/浮気” をキーワードにインタビューを行いました。
「重い作品と思いきや、実はコメディです」

犬飼 全体的に登場人物の描き方が新しく、斬新だと思いました。不倫される側が女性ではなく男性という点や浮気される暢の反応もナヨナヨしていてコミカルなので、一読者としておもしろいと思いながら読みました。
— 今までになかなかない構図ですよね。そんなちょっと独特なキャラクターである暢という役を演じるにあたり、どんなことを意識されましたか?
犬飼 僕個人の役作りというよりも現場全体のモチベーションの話になるのですが、撮影に入る前の衣装合わせの時、監督やプロデューサーなどスタッフの方が全員集まる場面がありました。その場で「これってコメディですよね?」と確認したところ、「そうです、コメディです」と監督にはっきりと言ってもらったことで、全員の共通認識を合わせられたことが大きかった気がします。
僕もその言葉を聞いて、「なるほど! ということは1〜2話ではとことん暢をへこませて、後半にかけて笑えてくるような展開になるんだな」と想像ができたので、後半にかけてのコントラストをつけるために、序盤のやられ具合は強く意識して演じました。

犬飼 思っていたよりシリアスだと感じました。オープニングの演出や、文字だけで見せる演出がシリアスさを加速させていて、つい見入ってしまうような仕上がりになっていると思います。