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妻夫木聡「今思い出しても、あの時のことはどこか夢見心地なんです」

妻夫木聡インタビュー「ゼロになれ」

デビュー当時からずっとトップ俳優のままだ。“新人”の役を演じながら、成長物語の主役が似合っていた20代から、映画、ドラマ、舞台とあらゆる分野で話題作や問題作に次々出演し、世界にも飛び出していった30代を経て、12月でついに40歳を迎える――。
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シャツ、パンツ(参考商品)/マルニ(マルニ表参道)

PROFILE

1980年生まれ。福岡県出身。1998年ドラマデビュー。2001年映画「ウォーターボーイズ」でシンクロナイズドスイミングに取り組む男子高校生を演じ、注目される。昨今は台湾映画や中国映画にも出演。映画の代表作に「ジョゼと虎と魚たち」「69 sixty nine」「涙そうそう」「悪人」「東京家族」「怒り」「愚行録」など。現在公開中の映画「浅田家!」にも二宮和也の兄役で出演中。

悔しさが俳優として生きる上での原動力になった

20歳のころ。ハチ公前に座って、一日中行き交う人を眺めていたことがある。

「ハチ公前って本当にいろんな人がいるんです。『近づいたら危ないな』と思うような人から、就活マニュアルから飛び出てきたような型通りの人まで(笑)。当時の僕は、俳優になったばかりで、とにかく演技の引き出しを増やしたかった。演じるためには、少しでも人間のことを深く探る必要があったし、人を観察するにはハチ公前がベストだったんです」

初めて人前で役を演じたのは17歳の時だ。

「みんなやっていることだし、自分にだってできるだろう」と高を括っていたが、いざ演じてみると、自分の不甲斐なさに打ちのめされた。自分はなんて無力なんだろうと思った。

「今思い出しても、本当に酷い芝居でした(苦笑)。もっとできると思っていたのに、いざ、やってみたら手も足も出ない感じで……。もともと僕、すごく負けず嫌いなんです。人に対してじゃなく、自分に対して。そのときも、『こんなもんじゃないはずだ』と思って、悔しくて悔しくてしょうがなかった。

でも、今になって思えば、その悔しさが俳優として生きる上での原動力になったんです。役を通して見たことのない自分に出会えることに期待する反面、『今の自分でいいのか?』と自問自答を繰り返して、目の前のことに夢中になりながら、39歳の今まで俳優を続けてこられたので」
経験を積むことで、自分のペースが摑めるようになったかと訊くと、「いや、ずっと摑めてないです」と即座に答えた。

「自分なりのやり方って、見つからないものですね(笑)。ペース配分なんかにしてもチーム内での立ち位置にしても、毎回模索してて、むしろどんどん迷走している感じがあるんです。“ものづくり”の現場って、やってもやっても限界がないし、何がゴールかもわからない。ただ、やったらやっただけ自分の身にはなる。『努力は嘘をつかない』っていうアレです(笑)。

演じる仕事に従事するようになって20年以上経ちますけど、負けず嫌いの僕が一つだけ信じられることがあるとすればそれかな。何かに挑戦して、失敗して落ち込んでも、やらないで後悔するよりやって後悔する方がいいと僕は思っているので」
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