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ムロツヨシが“見返り”について考える「なりたくない自分は、他でもない自分の手によって生まれる」ムカつくほど滑稽で哀れな役を経て

『ヒメアノ〜ル』、『愛しのアイリーン』や『空白』など、数々の話題作を撮り続ける鬼才・𠮷田恵輔監督のオリジナル最新作『神は見返りを求める』が6月24日(金)より公開する。本作は、お人好しで「神」のように見返りを求めない主人公・田母神(ムロツヨシ)が、バズらないYouTuber・ゆりちゃん(岸井ゆきの)と合コンで出会い、世間から少し浮いた存在の二人が手探りでバズる動画を作るために手を取り奮闘してゆく物語。かと思いきや、とある出来事をきっかけに二人の間に “欲” や “嫉妬” という醜い感情が湧き出し、物語は狂気に満ちた復讐劇へと一変してゆく……。

劇中で「神」のように優しくも、その優しさゆえにどこか悲哀に満ちた主人公・田母神を演じるのは、舞台・映画・ドラマと幅広く活躍し、個性豊かな演技でお茶の間の人気を博す俳優のムロツヨシさん。今回はシュールで愉快な本来のムロツヨシ像を封印し、田母神という悲運な男の激動の瞬間を演じきった。そこで今回は、本作の見どころやご自身の考える “見返り” についてインタビューを敢行しました。

「なりたくない自分を、自らの手で生み出してしまう恐怖を感じた」

3年前に台本を読んだ時の思い、公開延期への不安

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— 強烈なストーリーですが、最初に台本を読まれた時の感想はいかがでしたか?

どんな人でも時の流れとともに変わってしまう、あるいは自らの意志で変わることもできるということを改めて実感した記憶があります。描いた夢、達成したい目的、心の奥底から湧き上がる野心……それらを満たせれば人は無意識的に変わってしまうだろうし、優しく手を差し伸べる人が、見返りがなくても大丈夫だったのに、いつしかそれを求めてしまう。もしくは、見返りがなくてもいいと思っていた自分が、本当は偽りの自分なのではないかと気づいてしまう。これまでなかった側面を自分自身の手で生み出してしまうというのは怖いなと思いながらも、とてもうまく描かれている作品だと思いました
— 台本は3年前に読まれていたと伺いました。

そうなんです。コロナウイルスの影響もあり、全体のスケジュールが変わってしまって。これだけ早いスピードで時代が変化している中で、YouTubeを題材に取り上げた作品を映画館のスクリーンで観る人はどう感じるのだろうかと少し不安な気持ちもありました。2022年の6月に公開するということで公開は遅れましたが、むしろ今の時代にちゃんとリンクしているんですよね。これが3年前に作られた物語だと思うとビックリします。
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