ピープル
あの人に会いたい!

【山田裕貴×間宮祥太朗×岡山天音】原作ファンだからこそ覚悟を決めて挑んだ――“声で演じる”ことの難しさとは

“漫画から音が聞こえてくる”と評され、多くの読者の心を震わせてきた『BLUE GIANT』(石塚真一/小学館『ビッグコミック』連載)がついにアニメ映画化。公開直後から大きな話題となっている。本作品で声優を務めたのは、山田裕貴さん、間宮祥太朗さん、岡山天音さんの実力派俳優3人。声を吹き込むことに「不安だった」と語りつつも、お互いの声に対して絶賛。本作の見どころなどたっぷりと語ってもらった。

大というキャラクターの“信じる力”がカッコいい

pattern_1
――間宮さんが映画『BLUE GIANT』の声優オファーを受けた理由のひとつは、主役の宮本大役に山田さんが決まっていたことだったんですよね。

間宮 そうなんです。(裕貴くんに)ぴったりだなあ、と思って。

山田 それは嬉しいですね。僕はもともと原作のファンで、大のキャラクターに惹かれていたんです。たまたま出会ったジャズに魅了されて、自分も世界一のジャズプレーヤーになるんだと信じて、サックスを毎日毎日吹き続ける。突き詰めていくとどこかで、「俺、このままで大丈夫かな?」とか「自分なんて……」って自信を失う瞬間があるじゃないですか。でも大は、絶対にやめない。
――川の土手でひとり、雨の日も雪の日もサックスの練習を続けますもんね。

山田 「ただ、自分の音を届けたいだけなんだ」と、決して折れることのない意思を貫き通す。その信じる力が、めちゃくちゃカッコいいですよね。

岡山 そんな大という強烈な存在に引っ張られるようにして、間宮くんが演じたピアニストの(沢辺)雪祈も、僕が演じた大の同級生でドラムを始めたばかりの玉田(俊二)も、情熱をたぎらせていく。それだけでなく、読んでいる僕らもお尻に火をつけてもらうというか、エネルギーをチャージしてもらえるような気持ちになるんですよね。好きなものをもっと好きになろう、そこにどんどんエネルギーを注いでいこう、って。

間宮 コロナ禍になって“不要不急”という言葉が頻繁に使われるようになったけれど、考えてみれば人間の営みなんて不要不急なことだらけ。でも僕たちは、映画や舞台、音楽、絵画などの芸術を通じて、ただ生きるだけじゃない、喜怒哀楽のある豊かな人生を手に入れようとしてしまう。本能的に必要なはずの時間よりも、ジャズを全身で味わっている瞬間にこそ生きている実感を得られるという大の姿に、“芸術の力”というものを見せつけられたような気もします。
次のページ>>三者三様、それぞれ葛藤があるところも魅力
38 件

キーワード

急上昇キーワード

新着記事

あなたへのおすすめ