ステ―ジでは圧倒的なパフォ―マンスを披露したと思ったら、ト―クになると飾らないユニ―クな姿に。そんな声優アイドルユニット・i☆Risが、今年10周年イヤ―を迎えます。今でこそ“声優”が歌って踊ることはメジャー化していますが、10年前は今と比べて“アニメ”や“声優”というジャンルは、世間の認知が高いとは言えませんでした。そんな中、“声優アイドル”という当時は珍しいジャンルのユニットを結成し、声優、女優、歌手……と、目指す場所がバラバラのまま始動したi☆Ris。いつも全力で、時々おちゃめな彼女たちの姿はどのように生まれたのでしょうか。
with onlineでは、何度も逆境を乗り越えてきた10年の歴史をメンバーとともに振り返る短期連載をお届け。第5回目では、2019年以降、怒涛の深夜アニメタイアップを獲得し、順調な活動が続くなか、澁谷梓希さんの卒業が決まった時の気持ちや、5人体制になってからの変化などを伺いました。
――澁谷梓希さんが2021年3月31日付で卒業。澁谷さん卒業の話を初めて聞いた時、どんなふうに感じましたか?
山北早紀(以下、山北) 正直に話すと、私はすぐには受け入れられませんでした。10周年を目前にして何で!? って。みんなは大人だから「ずっちゃんがそう言うのなら仕方ない」って受け入れていたけれど、私はすぐには腑に落ちなかった。コロナ禍のなか、なんとか2人で会える機会を作ってもらって、「残ってほしい」って涙を流しながら訴えたけれど、ずっちゃんの思いは変わらず……。私の涙をもってしても、彼女の意思は固いんだなと(笑)。
久保田未夢(以下、久保田) 過去にもそれぞれが「やめる」って考えたことがあったかもしれないけど、ここまで6人でやってきたから、i☆Risである限り、6人で活動していくものだと思っていたんですよね。だから“卒業”って言葉を聞いた時は驚きました。
若井友希(以下、若井) ユニットを解散する選択もあるよって言われて、存続するかどうか、みんなで話したんだよね。
芹澤優(以下、芹澤) でも、ここで終わるわけにはいかないって思いました。10周年まであと一歩だし、しかもコロナ禍で何もできないまま終わるのは絶対にイヤだなって。
久保田 ファンのみんなの声を聞けないまま終わることになるからね。