with onlineでは、何度も逆境を乗り越えてきた10年の歴史をメンバーとともに振り返る連載をスタート。第3回目では、アイドル活動中心の時期から、全員がメインキャラクターの声優として出演、主題歌も担当したTVアニメ『プリパラ』全盛期の当時を振り返ります。i☆Risにとって、なくてはならない作品となる『プリパラ』。今だから語れるアフレコの思い出、そして長年演じているキャラクターの存在とは――。
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慣れないアフレコ現場。でも、お互いに“助け合う”のは違うって思っていた

茜屋日海夏(以下、茜屋) 『プリパラ』がスタートしたのは結成から約2年経った頃。私は受験でお休みした時期があったので、みんなと比べると声優の場数が少なかったのに、一番セリフが多い役で。もちろん主人公という大役をいただけて嬉しかったけれど、一方で「迷惑はかけられない」「でもやるしかない」と、葛藤がありました。
――キャラクターの声からはまったく感じられませんが……。
茜屋 収録では集中できるんですが、収録後に居残りで練習があって。毎回他の役者さんも巻き込んでいたので、未熟さゆえの悔しさを感じていたんです。帰り道はズーーンと落ち込んでいたし、他のお仕事に行っても『プリパラ』のプレッシャーがずっと続いていました。

久保田未夢(以下、久保田) 私が演じるそふぃも途中から登場したけど、毎回アフレコがプレッシャーで……。茜屋は主人公ですでにたくさん登場していたし、芹澤は前から声優の仕事をたくさんしているのに、私が演じるそふぃは歌やダンスが得意な先輩の役。まだ未熟な私がどうしてこの役なの? って、いつも胃をキリキリさせていました。
――メンバー同士で悩みを打ち明け合うようなことは……?
芹澤優(以下、芹澤) 誰かを助けられる実力が自分にあるとは思えなかったし、仲良く助け合うのはちょっと違うかなって。さりげなくLINEを送るくらいならいいけど、「ここはさ〜」って現場で話したりするのは、周りに「ユニットの子が来てるな~」って思われるのがイヤで。通常のアフレコって、声優同士がお芝居のことで助け合うことがあんまりないんですよ。だから、たとえメンバーが壁にぶつかっていても、その姿を見守るだけ。ユニットのメンバーが全員出演してるって珍しいことだけど、だからこそ、通常のアフレコの雰囲気は壊したくなかった。私がめちゃくちゃ迷惑をかけている立場だとしても、「ごめん」と伝えつつ、とにかくやるしかなかったと思います。

久保田 i☆Risって全員負けず嫌いだから(笑)。たしかに悔しかったな。
山北早紀(以下、山北) それと、演じているキャラクターのタイプがそれぞれ違いすぎて、メンバーに聞いたとて参考にならない、っていうのもあったと思う。
