ピープル
#わたしたちの憧れアイコン

声優アイドルユニット・i☆Risの人生を変えた『プリパラ』。今だから語れるアフレコの思い出、そしてキャラクターへの思い【特集vol.3】

ステ―ジでは圧倒的なパフォ―マンスを披露したと思ったら、ト―クになると飾らないユニ―クな姿に。そんな声優アイドルユニット・i☆Risが、今年10周年イヤ―を迎えます。今でこそ“声優”が歌って踊ることはメジャー化していますが、10年前は今と比べて“アニメ”や“声優”というジャンルは、世間の認知が高いとは言えませんでした。そんな中、“声優アイドル”という当時は珍しいジャンルのユニットを結成し、声優、女優、歌手……と、目指す場所がバラバラのまま始動したi☆Ris。いつも全力で、時々おちゃめな彼女たちの姿はどのように生まれたのでしょうか。

with onlineでは、何度も逆境を乗り越えてきた10年の歴史をメンバーとともに振り返る連載をスタート。第3回目では、アイドル活動中心の時期から、全員がメインキャラクターの声優として出演、主題歌も担当したTVアニメ『プリパラ』全盛期の当時を振り返ります。i☆Risにとって、なくてはならない作品となる『プリパラ』。今だから語れるアフレコの思い出、そして長年演じているキャラクターの存在とは――。

\これまではこちら/

慣れないアフレコ現場。でも、お互いに“助け合う”のは違うって思っていた

pattern_1
――「お客さんが少なかった時期」を経て出会ったのが、2014年からスタートしたTVアニメ『プリパラ』ですね。メインキャストを演じる声優として、アイドル活動とはまた違う大変さがあったと思います。

茜屋日海夏(以下、茜屋) 『プリパラ』がスタートしたのは結成から約2年経った頃。私は受験でお休みした時期があったので、みんなと比べると声優の場数が少なかったのに、一番セリフが多い役で。もちろん主人公という大役をいただけて嬉しかったけれど、一方で「迷惑はかけられない」「でもやるしかない」と、葛藤がありました。

――キャラクターの声からはまったく感じられませんが……。

茜屋 収録では集中できるんですが、収録後に居残りで練習があって。毎回他の役者さんも巻き込んでいたので、未熟さゆえの悔しさを感じていたんです。帰り道はズーーンと落ち込んでいたし、他のお仕事に行っても『プリパラ』のプレッシャーがずっと続いていました。
pattern_1
茜屋日海夏
若井友希(以下、若井) そんなこともあったんだね。私が演じるレオナの登場はもっと後で、最初は収録現場見学だけだったから、「みんな頑張ってるな~」って感心していたんだけど……。

久保田未夢(以下、久保田) 私が演じるそふぃも途中から登場したけど、毎回アフレコがプレッシャーで……。茜屋は主人公ですでにたくさん登場していたし、芹澤は前から声優の仕事をたくさんしているのに、私が演じるそふぃは歌やダンスが得意な先輩の役。まだ未熟な私がどうしてこの役なの? って、いつも胃をキリキリさせていました。

――メンバー同士で悩みを打ち明け合うようなことは……?

芹澤優(以下、芹澤) 誰かを助けられる実力が自分にあるとは思えなかったし、仲良く助け合うのはちょっと違うかなって。さりげなくLINEを送るくらいならいいけど、「ここはさ〜」って現場で話したりするのは、周りに「ユニットの子が来てるな~」って思われるのがイヤで。通常のアフレコって、声優同士がお芝居のことで助け合うことがあんまりないんですよ。だから、たとえメンバーが壁にぶつかっていても、その姿を見守るだけ。ユニットのメンバーが全員出演してるって珍しいことだけど、だからこそ、通常のアフレコの雰囲気は壊したくなかった。私がめちゃくちゃ迷惑をかけている立場だとしても、「ごめん」と伝えつつ、とにかくやるしかなかったと思います。
pattern_1
芹澤優
若井 そうだね。アフレコ中はそういうこと話さないかも。たぶんみんな、できないことが悔しすぎて、弱音を吐きたくないんだよね(笑)。

久保田 i☆Risって全員負けず嫌いだから(笑)。たしかに悔しかったな。

山北早紀(以下、山北) それと、演じているキャラクターのタイプがそれぞれ違いすぎて、メンバーに聞いたとて参考にならない、っていうのもあったと思う。
pattern_1
山北早紀
次のページ>>憧れであり一心同体。長く演じているキャラクターの存在
46 件

キーワード

急上昇キーワード

新着記事

あなたへのおすすめ