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#わたしたちの憧れアイコン

前田敦子 子どもが教えてくれた“時間”の尊さを胸に、30代、40代を楽しみたい

「2022年は慌ただしく過ごしていてあまり記憶にないんですよね。ノンストップでやれた1年でした」

そう語る前田敦子さんは、2022年に3本の映画出演と舞台やミュージカルに加えてドラマ出演も重なり、俳優として充実した1年を過ごした。約2年前、30歳を迎えるタイミングでアイドル時代から在籍していた事務所を独立し、ゼロからのスタートを切った。

そんな彼女の挑戦と成長の日々に迫った。
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「俳優業を基礎から学びたい」と決意し、表現者としての自分にとことん向き合っていた。そんな前田さんの元に、日本を代表する劇作家・演出家でもある野田秀樹さんから、「ワークショップに参加しませんか?」と予想だにしなかった誘いがきた。以前から野田さんの「言葉遊び」と「リメイク」が売りの独創的でスペクタクルな舞台に惚れ込んでいた前田さんにとっては、千載一遇の機会だった。
そして、ワークショップを経験したことで、俳優人生のターニングポイントを迎える。

「役者の間では都市伝説のように語られていた場所でしたが、『こんなに贅沢な時間はない』という学びの時間でした。何も後ろ盾がない私を、軽やかに楽しい世界へと連れ出してくれたんです。その経験が自分の役者としてのエンジンをかけてくれました」

ワークショップをきっかけに野田さんとの縁が深まり、数ヵ月後にNODA・MAP『フェイクスピア』の舞台への出演オファーが正式に届いた。吉報を聞いた瞬間、「やったよ! ママやったよ!」と息子を抱きしめながら泣いて喜んだという。
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トリッキーな世界観の舞台で前田さんは、伝説のイタコ、星の王子様、白い烏の3役を演じ分けた。普通であれば、恥ずかしいシーンも恐れずに全力で楽しんでいる自分が居た。野田さんの舞台は、感じたことのない自分を心から解放できる心地よさを身体全体で感じられる、殻を打ち破れる場所だった。
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