高畑充希「夢中が 教えてくれること」
例えばどんなに激しい嵐が吹き荒れていても、落ち着いてその中心でただ静かに立っている。何があっても自分を見失わずに、やるべきことと正面から向き合っている人。デビューした10代の頃から、変わらずそんな印象を与える高畑充希さん。揺るがない自分を保てるヒントは、俳優としてではなく、"高畑充希"という一個人で過ごす日常にあるのかもしれません。
今月の特集は「"推し"の見つけ方」。私たちは、それぞれの人生を手探りで歩む途中。その道中で、我を忘れて没頭できるものに導かれたり、助けられることもあります。心の底から湧き上がる「好き」の気持ちは、きっと前へ進む力になるから。高畑さんが「好き」と過ごす特別な時間について、お話をうかがいました。
カーディガン¥44000/タナカ ダイスケ(パッチワークス) スカート¥50600/ラシュモン(アぺリア) メガネ¥36300/カーニー(ソスト) リング¥106700/カフカ(ハルミ ショールーム)
ADDICTED TO:言葉の海で泳ぐ
「昔から、言葉が好き。30歳の記念に初めてエッセイを書くにあたり、改めて言葉とじっくり向き合いましたが、例えば何かひとつのことを表すにも、日本語にはたくさんの言葉のバリエーションがあって。その中から、これかな、いやこっちの方が合ってるかな……と一番しっくりくるものをチョイスするのがすごく面白い。一般的にはない表現だけど、自分の中では腑に落ちる比喩を探す時間も好き。演技は相手との間もあるので、そのときの直感でやるところがあるけれど、書く行為は一人で行うものだから、じっくりと時間がかけられるのもいいなぁと思います。でも、反面すごく孤独な作業なので、相談相手がいるともっとラクなのに、と感じることもありますね(笑)」
ドレス¥47080/ドリーム シスター ジェーン(ザ・ウォール ショールーム) 靴¥37400/アンスリード(アンスリード青山店) ピアス¥20900/ミラ(スタジオ ファブワーク) リング¥174900/オー(ハルミ ショールーム) その他/スタイリスト私物
ADDICTED TO:豆花
「最近の食のハマりものと言えば、台湾スイーツの豆花(ドゥファ)。手間がかかるので、さすがに豆乳から自分で手作りしたりはしませんが、お店で食べたり、テイクアウトをして、しょっちゅう食べています。甘いタイプが有名だけれど、しょっぱいバージョンもものすごくおいしいんですよ。パクチーをこれでもか!と入れたり、色んなトッピングをして楽しんでいます。台湾は一度くらいしか行ったことがないけれど、本当にご飯にハズレがない! どこで何を食べてもおいしいですよね。また世の中が落ち着いたら、再び旅してみたい場所のひとつです」
ADDICTED TO:コスメ沼
「最近、3ヵ月の長いお休みをいただいたんですが、仕事がないとメイクしていただく機会が全くなくなってしまって。暇だし、久々に自分でメイクでもしてみるか、と始めてみたら、これがすごく楽しくて! 以前は『クリスマスコフレがどうの』という話を聞いても、へぇ~としか思わなかったのに、最近は新商品すべてが気になってしょうがないし、似たようなものを持っているのに、際限なく欲しくなってしまいます。特に好きなのはリップ! ショートカットにしてから、よりリップの効果って大事だなと感じるようになりましたね。ファンデーションはテクスチャーを確かめてから買いたいので、コスメカウンターに出かけて実物をチェック。美容部員の方に『あ!』と驚かれたりもしますが(笑)。マスクの下にお気に入りのリップを仕込んで出かけるのが、自分だけの密かな楽しみ」
無心になれる刺しゅうで頭と心を解き放つ
高畑さんにとって、夢中になれることというのは、頭の中を空っぽにしてのめり込めるもののこと。無心でいられる時間が、結果的には役者としての自分を下支えしてくれるという。
「仕事をしているときは、脳を4つくらい使ってフル回転させているイメージ。絶えず色んなことを考えているので、家に帰ると脳みそがないんじゃないかっていうくらい何も考えずに生活しちゃうんです。でも、オンとオフをきっちり線引きしたいので、無でいられる時間が自分には必要。そうすることで仕事とのバランスを取っているんだと思います。
最近、無心で没頭しちゃうものといえば、刺しゅうですね。昔から手芸は大好きで、リボンを服に縫い付けてみたり、我流でリメイクをしたり、自分でミシンを使ってパンツの裾上げなんかもやります。
一旦刺しゅうをやり始めるとあっという間に2日くらいは過ぎちゃう。まさに心は無になるんですけど、作品が形として残るので、達成感も味わえる。刺しゅうはそこがいいんですよね。
つい先日も、友達の旦那さんの誕生日に、彼の顔を刺しゅうしたがま口をプレゼントしました。手縫いで作ったがま口に、顔写真をトレースし、色糸で刺しゅうして。めちゃくちゃシュールな仕上がりになりましたが、喜んで使ってくれているので、作った甲斐がありました(笑) 」
Profile:高畑充希
1991年12月14日生まれ、大阪府出身。2005年に『山口百恵トリビュート・ミュージカル「プレイバック part2 ~屋上の天使」』のオーディションでグランプリを獲得しデビュー、舞台を中心に活躍。その後、2013年NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」出演、2016年NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」主演で、その人気を不動のものとする。数々のドラマ、ミュージカル、CMに出演。2022年1月から放送予定の『ムチャブリ! わたしが社長になるなんて』(日テレ系 水曜22:00~)に主演するほか、2月11日に初のフォトエッセイ『穴があったら入ります』を発売予定。同時期に展覧会「穴があったので、入りました」もPARCO MUSEUM TOKYOにて開催を予定している。また、5月からは舞台「奇跡の人」、7月にはミュージカル「ミス・サイゴン」の公演が控えている。
「長い日は10時間くらいプレーします!」宮田聡子の“ゲーム沼”に密着! 好きなゲームベスト3は?
撮影/矢吹健巳(W) スタイリスト/Shohei Kashima(W) ヘア&メイク/笹本恭平(ilumini.) 取材・文/栗田瑞穂
●再構成with online編集部 ●商品情報はwith2022年2月号発売時点のものです。
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