同世代のパイオニアが語るプロ論
フリーアナウンサー 宇垣美里
狭き門より入れ

1991年4月16日生まれ。兵庫県出身。同志社大学卒業。在学中に「ミス同志社」に選ばれる。2014年、TBSにアナウンサーとして入社。数々の人気番組に出演。19年4月にフリーに転身。現在は、テレビ、ラジオ、雑誌、CM出演のほか、「週刊プレイボーイ」「週刊文春」「週刊SPA!」などで多数の連載も持つ。著書に「宇垣美里のコスメ愛 BEAUTY BOOK」(小学館)、チョコレートがテーマのフォトエッセイ「愛しのショコラ」(KADOKAWA)などがある。放送中のドラマ「彼女はキレイだった」(カンテレ・フジテレビ系火曜 21時〜)にレギュラー出演中。
世渡りは下手
こびたりするのは苦手だからアナウンサーという職は向いていた
かといって、『小説家になりたい』とまで飛躍はできない。書く仕事なら新聞記者よりもテレビ局の記者のほうが身近かな、と」そんなふうに思っていた矢先、夏休みにアナウンスセミナーを受けた。ニュースの仕事には、取材する人と編集する人がいて、記事を書く人もいる。それを最後に伝えるのがアナウンサー。「みんながつないできたバトンを視聴者に渡す役」と聞いて、アナウンサーに興味を持った。
「元々、人にこびることができない、世渡りが得意ではない私には、アナウンサーという職業がとっても向いていた。専門職なので、1年目からある種の権限を渡されていたんです。アンカーとして、原稿で引っ掛かる言葉があったら、別の言葉に言い換えることもできましたし。仕事も、アナウンサーの仕事を管理している先輩から『これはやりますか?』と打診される。もちろん、ほとんどやるんですけど、そこで『やりません』と断ることも自由でした」
執着はしない
うまくいかなければ違う仕事をすればいいかなって

ていたのだろう?
「辞めたあと1年ぐらいなら仕事がなくても生きていける程度の貯金は準備していました。それに、そんなに一つの仕事に恋々としていない部分もあって、『1年間ぐらいやって、うまくいかなかったら別の仕事をやればいいんじゃない?』『フリーが向いてなかったら、仕事が来ないだけのこと。だったらやめればいい』と。何の根拠もない自信なんですが、『何の仕事をしても生きていけるでしょ』と、そう思っていたんです。物事に執着しないところは、好きなところでもありますね(笑)」
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●再構成with online編集部 ●商品情報はwith2021年9月号発売時点のものです。