安室ちゃんが伝えてくれたこと。
with10月号では、ドームツアーの最終公演の10日後にインタビューを敢行。「安室奈美恵と音楽」についてたっぷりお聞きしました。
『歌との出会いがあって、今がある』と語る安室ちゃんの、音楽への想い、そしてファンの皆さんへの感謝。そして、私たちの心の中で永遠に生き続ける、安室ちゃんが手渡してくれた音楽———さまざまな感情が迫り来るロングインタビューは必読です!
また、本誌には“namie amuro Final Tour 2018 〜Finally〜”のライブレポートも
掲載しています。今回は特別にそのライブレポをwithonlineに再収録。
安室さんが「ライブ」を通じて届けたかったメッセージとはーー?

世界で一番美しい風――。
ツアーファイナルの東京ドームは、始まる前から異常な熱気が立ちこめてい
た。開演時間が近づくと観客は総立ちになり、思い思いに拍手をしたり、歌ったり、アリーナ上空を横切るカメラに手を振ったり。開演予定時刻を過ぎても、「まだ始まらないのかな」という不安や焦りは一切なく、「この声を安室ちゃんに届けたい!」という一途な思いが会場中に立ちこめていた。誰もが、あの時間を愛おしんでいた。彼女そのものと彼女の音楽を愛し、それに感謝するという意味で、5万人が心を一つにしていた。開演のアナウンスが聴こえると、今度は割れんばかりの拍手が鳴り響く。5万人の、“手”という楽器によって生み出された音楽が、世界にたった一つの、美しい音色を奏でていた。そして、暗転――。
一曲目の「Hero」の“常に笑顔で支えてくれた だから乗り越えられる”という歌詞によって気づく。安室ちゃんが音楽とともに生きた25年という年月は“永遠”であることを。彼女の残してくれた音楽こそが、誰かの心の中のHeroになりうるのだ。心に夢を。心に歌を。それさえあれば、怖いものはないのだと。
誰もが歌に聴き入り、励まされたあとで、ステージの雰囲気は一転し、ダンサブルな「Hide & Seek」へ。「Do Me More」「Mint」と続く怒濤の流れは、“ザ・安室奈美恵”とでもいうべき迫力とグルーヴ感に満ちている。ダンスも歌も、曲ごとに色合いを変え、クールな女、カッコいい女、強い女と、それぞれの女性観が浮かび上がってくる。
