ピープル
#わたしたちの憧れアイコン

女優・田中みな実が語る「大きな幸せに浸れた時間」

大ヒット中の映画『イチケイのカラス』で、竹野内豊さん演じる主人公・入間みちおが受け持つことになった傷害事件の被告人役を演じている田中みな実さん。なんの予備知識もなく映画を観た人なら、「誰? この女優さん、うまい!」と感心するか、「旦那さんを亡くして、可哀想に」と、誰が演じているかなど関係なく同情してしまうかのどちらかだろう。普段、テレビなどで見せるキュートで華やかな“田中みな実”を封印し、人としての哀しみやある種の憎しみを背負った、迫真の演技を見せている。
pattern_1

撮影期間中は、ずっと悲しみの中にいた

「ドラマシリーズから作品の大ファンでしたので、お話をいただきとても嬉しかったです。最初に脚本を読んだ感想は、『(脚本を書かれた)浜田秀哉さんはやはり天才だ』と。幾度となく襲ってくる何とも言えない感情、多くの人々の人生が絡み合っていく予想もできない複雑な展開、入間みちおの在り方、全てに心を掴まれてしまいました。私自身は出演シーンが少ないので、全体がどんな風に仕上がっているのか、いちファンとしてとても楽しみにしていたんです。待ちに待った初号試写では、結末を知っているはずなのに、終始ハラハラドキドキウルウル……。感動の連続でした。こうして映画が公開されて、沢山の皆さんにご覧いただいて、なんだか幸せだなって。『こんなに素晴らしい作品に関わることができて、私はなんて幸せなんだ』と感慨に浸っています。」

田中さん演じる島谷加奈子は、夫を亡くしたばかりの主婦。向井理さん演じる史上最年少の防衛大臣・鵜城英二に包丁を突きつけるという傷害事件を起こす。物語を引っ張っていくキーマンだが、映画の中では冒頭と終わりしか出てこない。

「加奈子がどんな人物で、夫と息子とどんな幸せな日々を送っていたのか。描かれていない部分は想像しなければなりません。私はまだまだお芝居の仕事においてはひよっこで、器用な方でもないので、脚本をいただいてから、ずっと加奈子について考えました。こんなに一人の人について考えたことがないというほど考え抜かないと、自分以外の誰かを演じることは不可能なんですよね。どれだけ小さい役でも。撮影期間中は空き時間ができても、気分転換をする気になれず、ずっと哀しみの中にいるようでした。」
次のページ>>入間みちおの言葉が生んだ“奇跡の瞬間”
25 件

キーワード

急上昇キーワード

新着記事

あなたへのおすすめ