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#わたしたちの憧れアイコン

長澤まさみ「他人の“面白い”場面に遭遇しがち。若干、半笑いで生きているかもしれません」

「次はどんな作品を届けてくれるのか」、つい期待してしまう女優――。長澤まさみさんのパフォーマンスは、コミカルな表現からシリアスで社会性の強い作品、さらにはアクションと実に多彩。“硬軟”を問わず、年齢を重ねるごとに伸び伸びと行き来しているようにも映る。

今回挑んだのは、WOWOWオリジナルコントドラマ『松尾スズキと30分強の女優』。劇団・大人計画を主宰する演出家であり劇作家の松尾スズキさんとの奇想天外なコントを通して、独特だという松尾さんの“笑いの世界観”や、長澤さんが面白いに出会う日常について伺った。

「いつ呼ばれるかな?」と、ちょっと期待していた(笑)

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――コントドラマ「松尾スズキと30分の女優」シリーズへの出演はひそかな念願だったそうですね。オファーを受けたときの率直な感想はいかがでしたか?

本当に嬉しかったですね。このシリーズのことはもちろん知っていたので、「いつ呼ばれるかな?」なんてちょっと期待していたくらいです(笑)。実際にオファーをいただいたときは、「呼ばれた!よかった!」と、とても嬉しかったです。過去のシリーズに出演された女優さんと共演する機会があったときに、お話を聞いてみると「楽しかったよ」とおっしゃっていて。コントドラマに対しては、難しそうという印象を持っていましたが、その難しさを含めてむしろ楽しそうだなとワクワクしました。
――松尾さんが作られる世界観やその笑いについて、長澤さんが感じる魅力とは?

台本を読んでも、実際に演じていても感じたことですが、松尾さんが紡ぐ物語は基本的にすごく普遍的なんです。キャラクター設定が独特だったり、ちょっと突拍子もなかったりして、一見ギョッとするのかもしれないけれど、紐解いていくとすごくジーンと感動する。描かれるキャラクターたちは憂いを帯びた魅力を持っていて、悲しかったり、痛かったり、なんかかわいそうだったりという人たちをフィーチャーしている。その表現やキャラクター設定がある意味“不気味ポップ”になっているから、ちょっと不思議な感覚に陥るだけで、実は本当に普通の物語が広がっているのが松尾さんの作品の魅力なんだと思います。

――突飛な設定であっても、各コントで長澤さんが演じている役がいわゆる普通の人という部分にもつながっている気もしました。

そうかもしれないですね。職業的にいったら、『恐竜最後の日』も下積み中の喫茶店のアルバイトだったり、『老紳士を捨てる』はごく普通に働いている女性ですから。
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