今年は初心に戻って、“伝えること”を一番にしたい
「なんかうまくいかない」暗いトンネルを抜けて、今、機が熟した予感。
は、私がみずからの言葉で間違いなく伝えられるいい機会であり、たとえ広告が絡む案件だとしても私が本当にいいと思えるものしかオファーはお受けしてないから、声を大にして自信をもってオススメはできる。でも、『コスメをダイレクトに買ってもらうことばかりの比重が大きくなってしまうのはどうだろう?』と。だから物を買う以外での美容の伝え方も増やして、もっとバランスよく美容を楽しんでもらいたい、と強く思うようになりました」
さらに、女性としての変化や、彼女の心情を揺るがすようなことが起こり、追い討ちをかける。
「女性ホルモンの数値としては、まだだけど、確実に更年期に入った感覚がありました。心と体が今までとは違う。そんな明らかなサインに目を向けて、しっかりと整え直さないと、大好きなこの仕事を長く続けていけないような気がしたんです。そして、もうひとつ。私は“裏切られても裏切らない”ということを大切な信条として生きてきましたが、悪い意味でそれを試される出来事がありました。それらがすべて重なったのが昨年の後半にかけて。それでも自分の根っこの部分は変わらないというのもわかり、ようやく、長く苦しい停滞期から抜け出せました。タイアップなど広告のお仕事は美容家として美容をお伝えするためにもとても重要なことです。そして、そのお仕事でいただいたお金で、いろいろなイベントを無料で開催できたり、皆さんの声に応えられる新しいプロダクトを開発できたり、社会貢献に力を注げる。誇りを持ってやっていきたい仕事と改めて思えました」
順風満帆。誰もがそう思って疑わなかった彼女は、私たちに見えないところで悩み抜いた結果、大きな路線変更の決断もした。
「モデルとしてファッションやメイクを提案させていただく仕事はとても好きだし、これからもひとつひとつのお仕事を大事に、今までの仕事で培ってきたもの、得てきたものを繋げながら、楽しんでやっていく。それは変わりません。ただ、機が熟した今、より私の気持ちが動くものに力を入れていこうと思っています。私の考えていることや気持ちをきちんと伝えていけるような企画を最優先したい。そして、誰かとリアルに向き合って伝えたり、人を育てる時間を積極的に増やしていきたいですね」
成功している中での方向転換。もしかしたらファンは離れていってしまうかも、などの不安は?
「自分の心も、他人の心も、しっかりと大事にする。たとえ誰かに裏切られても裏切らない。美容は、心に向けてすることが大事。そして美しさは年齢ではない。そういう私の芯の部分は決して揺らがず、変わることがないので、大丈夫だと思っています。だから、不安というよりは、自分自身、どうなっていくんだろうと楽しみ。今までもそうですが、その日その日で大切なことを選択していくので、この先は全然、予想がつきません(笑)。唯一、不安要素をあげるなら、自分と家族の健康だけ。だから毎年欠かさず人間ドックに行ってチェックするし、日々の食事や生活で健康には十分すぎるぐらい気を使います。フツフツとして行き場をなくしていた気持ちの行きどころが見つかり、打ち込む方向も明らかになった。そのことが、とてもうれしくて、そして、これからが楽しみで仕方ありません」
働く女子たちよ、 私たちの前に道はない。神崎さんが歩むこれから。
Q 一歩の踏み出し方って?
自分に対して、一歩を踏み出せない理由を数えていませんか? 実は私もそうでした。時間と努力を費やせば叶うことでも、大変そうと思った瞬間、“こんなに時間をかけている余裕はない”“今はこういう状況だから無理と諦める理由をカウントし始める。そして、それを正当化してやめてしまう。でも私は、その思考回路では何もできないと気づき、改めました。私の美容塾に通っている方で、今あるアンパイを捨てて地方から引っ越してきた方がいます。そういう人は何かしらの方法でやりたいことを実現すると私は思います。自分がやりたいことが、どうすれば叶うか。そのための条件を考えてみてください。
Q 自信ってどうしたら手に入る?
もちろんネイルサロンに行ったり、お洋服を買うのもいいけど、そういう“表面”を磨くことに意識が向かいがち。でも、それよりも、何かを学ぶ時間をつくってチャンスをタイミングよく摑める力、生きる力といったパワーを養うことが大事だと思います。そのうえで、私は数字で目標を立てます。なぜなら、その数字を超えたときにはわかりやすい手応えが得られるから。そして、精一杯取り組むことで、私の中でやりきったという手応えもある。そこに、周囲の満足や評価が加わると自信に繋がっていくと思います。
Q 他人の目が気になります。
私は年々、気にならなくなっていますが、with世代はまだ左右されますよね。でも、要らないものは、要らない。不要なものは“縁”ではない。私自身、要らない空気の読み方を覚えていて、バランスを取りながら行動してしまうタイプですが、いろんな経験をして、“ちょっと自分勝手”ぐらいの心意気でいくと、楽になれる気がしています。そのぶん、自分の責任は増えるけど、気持ちが引き締まり、それはそれでいいかなって。

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●再構成with online編集部 ●商品情報はwith2022年4月号発売時点のものです。