池田エライザ【わたしが学び続ける理由。 1】
そのうえ、早期からSNSの活用を率先して行ってきたことで、モデル・俳優業のファンだけでない層にも自身のメッセージを届け、ソーシャルメディアの中でも特別な存在に。いわば、これからを担う令和スターのモデルケースともいえる彼女。最新作は、彼女自身が尊敬する友人という蜷川実花監督によるNetflixオリジナルシリーズ『FOLLOWERS』(2月27日世界独占配信)への出演だ。
「私が演じたなつめは、共感するとかではなくて、私が一番の理解者でいるというような役でした。たとえば胸の痛みを表現するなら、どこがどれくらい痛いか理解できないと演じられないし、そこを理解していることで、実際に心拍数があがって自律神経がバグっているみたいな感覚にまでいくんですよ。
私はどんな役を演じるときも、そんな領域にいくくらいのリアリティを求めるタイプ。せりふの意図を理解するだけではなくて、そのせりふを使ってなつめがどういう精神状態になるかまでを表現するのが私の仕事だと思っているから。だから、単純に〝共感できる〞とかではなく、共感し過ぎてこのせりふを言うのがつらいなぁ、というくらいの感覚で。それに、そうしないと嘘つきになってしまうし、意見が二転三転すると池田エライザ自身にも人がついてこなくなってしまいますからね」

「俳優は好きじゃないとできない仕事だと思うし、好きでないと成長することができなくなってしまうんですよ。たぶん、好きじゃない人がこの仕事をしていたら、どこかラクなよりどころを探して、そっちに流れてしまうんじゃないかな。特にSNSが普及した今は、いつ誰にチャンスがあるか分からない時代ですよね。だからこそ、表面的に評価されても、内面が追いつかないというケースがすごく多くなっていると思うんです。
なつめはまさにそういう子なんですけど、気合と映画への愛だけは誰にも負けない。若いうちって、そういう『根拠のない自信』を武器にせざるを得ない瞬間がいくつもあって、そこでがんばって得たもので大きくなり、いずれお世話になった方々へ恩返しをしていく、というのが、ある種の方程式だと思うんです。なつめの場合は、その方程式が分からないから、世間の理不尽に対して折り合いをつけられず、勢いでへしおろうとするたくましさを出してしまう。それが話をこじらせるんですが、同時に彼女の魅力の一つだと思っています」

【PROFILE】
with3月号では、『FOLLOWERS』の監督、蜷川実花さんへの想い、そして憧れの大人の女性でもある蜷川さんから学んだ「聞く耳を持つ」ということ。俳優として、一人の働く女性として柔軟なバランス感覚を身につけるようになった過程などをじっくりと伺っています。ぜひご覧ください。
【INFORMATION】
