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06.Oct.2020

小林由依「キャプテンのスピーチの時、私は次の曲のことを考えていました」【まなざしは未来へと 1】

小林由依「まなざしは未来へと」

あのとき――。寡黙な彼女の目は、未来だけを見据えていた。

7月16日。およそ30万人が視聴したという欅坂46の配信ライヴ。幕張メッセの大ホールに大規模なセットを組み、異なる世界観で、それぞれの曲のメッセージを大胆に発信した。感情とシンクロしていくダンスとメロディとハーモニー。中心にいる彼女のまなざしは強く美しく、とても澄んでいた。変化するうねりの中、彼女は何を思うのか。

写真集『感情の構図』の撮影から約2年、写真家・鈴木心が写す彼女の姿と共に届けます。
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シャツ¥16000/スコッチ アンド ソーダ(スコッチ アンド ソーダ なんばパークス店)
室内での撮影を終え屋上に出ると、ゆるやかに日が暮れかかっていた。滞留(たいりゅう)する空気はぬるく、そこに吹く風は涼しい。昼と夜の境目であり、夏と秋の境目の時間。

写真家の鈴木心さんは、彼方を見る彼女の横顔を写真に収めた。写真集『感情の構図』の撮影から約2年、笑顔の種類も翳りの種類も、ひたむきさの種類も、何もかも増えたように見える。最も雄弁なのは、その眼差しなのかもしれない。
 
7月16日。リアルタイムで推定30万人が視聴した欅坂46の配信ライヴで、キャプテンの菅井友香さんが、グループ名を改名することを発表した。欅坂46の歴史を振り返るような切実なスピーチに、メンバーの多くは目に涙を浮かべていた。

でも、彼女は違った。キャプテンのすぐ後ろにいて、静かに前を見据えていた。まるでほんのすこし先の未来を見つめるように。

その瞳は澄んでいたけれど、キラキラと輝いているというより、ひたむきさの中に繊細な陰影があった。なんて綺麗なのだろうと思った。
「改名することを知ったのは、ライヴのリハーサルが始まる前のことでした。なので、リハーサルを進めながら、みんなですこしずつその事実を受け入れていった感じです」

最初は、名前を変えることに抵抗する気持ちもあったという。

「改名しないでやっていく方法はないのかな、とか自分なりに考えてみたりして……。でも、名前は変わってもメンバーが変わるわけではないし、私たちが大切にすべきなのは、名前よりもファンのみなさんと、メンバーと、楽曲。それからスタッフさんなのかなって。すべてはこれからの活動次第なのかな、って……。実際、改名をプラスに考えているメンバーもかなりいましたし」。

ライヴのリハーサルが始まってからは、最初に抱いていた不安や迷いは吹っ飛び、「やってやろう!」という気持ちが湧いてきた。

「最初に、演出の方がどういう感じのライヴで、どういう構成かを説明してくださるんですが、今回は、スタッフの方たちの熱量のすごさがこれまで以上にヒシヒシと伝わってきたんです。一緒にものを作る上で、ここまでの熱量でやってくださっているんだと思うと、自分たちのことだけを考えるというより、そういう人たちの期待に応えられるようなステージにしたいと思いました。

セットの規模も凄かったし、カメラワークだって、寝る間も惜しんで考えてくださっていた。『いいものにしたい!』という熱意が伝わって、『私たちも頑張らなきゃ』とみんなで話していました」
次のページ>>準備を進めるうちに、心の底からライヴが楽しみになった  
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